グーグル/リタゲに代わる新機能/ブラウザが利用者の関心項目を決定 (2022年2月3日号)

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 米グーグルは1月25日、サードパーティークッキーを使ったターゲティング広告に変わる広告機能として、「Topics(トピックス)」を発表した。スマホやPCのブラウザが、ユーザーの閲覧履歴を基に、いくつかのトピック(関心項目)を決定し、トピックに応じた広告を配信する。「Topics」の機能は開発の初期段階だとしている。


■関心に応じて広告表示

 グーグルによると、「Topics」を使用すると、「Chrome(クローム)」などのウェブブラウザは、ユーザーの閲覧履歴に基づいて、その週のユーザーの最大の関心事を、あらかじめ設定された「フィットネス」や「旅行」などのいくつかのトピックの中から決定する。決定されたトピックの情報は3週間保持される。グーグルのアドネットワークを設定しているサイトにユーザーがアクセスすると、ブラウザが決定したトピックから一つを選択し、そのトピックに関連した広告が表示される仕組みだ。トピックは数百から数千の種類を用意する予定だという。
 トピックの決定は、ユーザーの端末で行い、情報の記録も端末で行う。外部サーバーに情報が蓄積されることがないという。
 ユーザーは、「Chrome」の設定から、トピックの情報を確認したり削除したりすることもできる。現在のターゲティング広告とは違い、アクセスしたサイトの記録は、ウェブ全体で共有されない。
 グーグルが、これまでサードパーティークッキーによるターゲティング広告に変わる広告手法として開発していた「FLoC」は、廃止する。「FLoC」は、ユーザーの共通の関心に応じて大規模なグループに分けて行うターゲティング広告の技術だった。


■CRMがさらに重要に

 グーグルが新たな広告機能「Topics(トピックス)」を発表したことにより、これまでターゲティング広告で顧客を獲得してきたEC事業者は、広告出稿の方向性について転換を迫られそうだ。デジタルマーケティング支援のペンシルの馬場孝一執行役員は、「『Topics』のサービス開始後は、広告のクリエーティブの力がさらに問われるようになっていく。今よりも顧客獲得が難しくなるため、自社の顧客に対するコミュニケーションを活発にし、CRMに注力する必要があるだろう」と話している。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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