【ワタミ 宅食事業 調理済み事業本部 金尾和輝本部長】 宅食事業好調今期も増収を維持(2022年10月27日号)

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 ワタミの宅食事業が好調だ。22年3月期の売上高は、前期比10.9%増の406億4000万円と、14年3月期以来8年ぶりに400億円に達した。今期も増収を維持しており、ミールキットの販売を強化。既存顧客向けの通販にも力を注ぐ。通販会社のハルメクが紙面制作に協力する会報誌「もっと宅食らいふ」を通じた通販事業の売り上げは、前年同期比90%増と好調だ。宅食事業・調理済み事業本部の金尾和輝本部長に話を聞いた。

 ─まごころスタッフが減少傾向にあると聞く。
 ここ数年は回復傾向にあったが、22年3月期末で減少に転じた。今期も期初から約300人減っており、スタッフの確保に苦労している。スタッフが減少すると、現場の管理監督者が配送を担うこともあり、徐々に影響を受けている。
 コロナ禍では、順調に人材を獲得できたが、昨年秋ぐらいから同じコストをかけても応募者が減ってきた印象だ。
 応募が減っているので、全体のスタッフを確保するためには離職者を減らすことが必要になってくる。肌感覚では、ガソリン代など燃料の値上げの影響もあるだろう。
 本社がコスト増の部分を負担するのではなく、営業実績に対して報酬を支払うという方向で行っている。例えば、7月に販売した「うな重」などは、既存顧客に販売すれば、売り上げが増え、その収益をスタッフに還元することができている。配送件数を増やすことなく、顧客単価を引き上げる仕掛けを本社が打ち出している。
 ─販売員の商品が増えている。
 主力の総菜や弁当などに加え、ミールキットや野菜BOX、冷凍食品など販売する商品は増えている。「まごころ商店」は力を入れていて、毎月新商品を出し、食品スーパーでは手に入らないような商品も増やしている。宅食事業では、お客さまの食生活全般をフォローしたい。
 パンもラインアップして、朝食から夕食までをカバーできているが、今後はどこにニーズがあるのか、お客さまにアンケートをとりながら、どこに焦点を当てていくか検討していく。例えば、ハレの日の商品を充実させるなど、お客さまとの接点を増やせるようにしていきたい。
 ─販売員はミールキットも届けている。

(続きは、「日本流通産業新聞」10月27日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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