【ジュピターショップチャンネル 小川吉宏代表取締役社長】〈4月から代表に就任した〉お客さまに向き合っていく(2022年7月28日号)

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 テレビショッピング最大手のジュピターショップチャンネル(本社東京都)は4月1日付で、小川吉宏執行役員が代表権のある社長に就任した。22年3月期の売上高は、前期比2・3%減の1573億8300万円だった。減収要因について小川社長は、番組や商品の新鮮味不足を指摘している。代表就任1年目の取り組みや抱負を、小川社長に聞いた。

■商品開発、番組制作・編成を見直す

 ─執行役員から代表取締役に就任した経緯は。
 任命された方なので、経緯については分からない。ただ、株主から期待されていることは変革とチャレンジだ。代表が代わることで一つのきっかけになるということではないか。
 ─前社長である新森健之氏の去就は。
 ショップチャンネルの特別顧問で、社長を補佐する役割だ。それと業界での付き合いの中で、新森が持っている人脈もあり、そのあたりも期待している。私は現場、つまり執行に力を入れている。現在使っているデスクも社長室ではなく5階の営業部門にある。現場に向き合っていこうというのが私のメッセージで、従業員には「まずお客さまに向き合っていこう」と呼び掛けている。
 ─経営企画部門のトップと代表では、業務内容は異なるか。
 経営企画はいろんなプランを提案するのが役割だが、代表取締役は自分で決められる。そこはプランを作ってから実行までの期間が短くなった。2年間、経営企画で業務に携わってきたので、現状会社の課題感は理解しているつもりだ。そこを4月から一気に改善していくことに取り組んでいる。
 ─現状の課題とは。
 当社は昨年創業25周年を迎えた。ずっと右肩上がりで売り上げが成長してきて、それなりの形はできていると思う。しかし、それが少し時代のニーズを拾い切れていないのではと感じている。お客さまや番組視聴者は選択肢が増えて、考え方も多様化している。その中で、これまでと同じことをやっていては、新鮮味がないと感じていた。もっとお客さまの声を直接聞き、経営理念でもある心おどる瞬間をお届けすることに取り組んでいきたいと思っていた。それを機軸に商品開発、番組制作、番組編成などを再度見直していく。それが課題だと思っている。


■安定感はあるが新鮮味に欠ける

 ─経営企画のときから、そのことは感じていたのか。
 お客さま像の再認識という言葉を使っているが、本当にお客さまが考えていることや思っていることを考えているのかということだ。これまでわれわれのデータはたくさんあるが、われわれのお客さまはこうだろうとか、過去こうだったから今年もこうに違いないとか、そういうやり方では駄目だ。番組編成や演出もある程度固まっていて安定感はあるが、面白味という意味においてはどうなのか。過去の番組を見ると面白い企画をたくさんやっていた。過去にチャレンジしてきたことが、今できない理由はない。
 ─前期の減収についても、そのことはつながっていると見ているのか。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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