【広がる”コーヒーで健康・美容”市場】 〈コーヒーの通販・EC〉ダイエット・認知症向け商品もヒット/コーヒー成分の化粧品も続々発売(2021年7月1日号)

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 ”コーヒーで健康・美容”というコンセプトの商品が、通販・EC市場で売り上げを伸ばしている。高いダイエット効果が期待できるとされる「バターコーヒー」を手軽に作れる「チャコールバターコーヒー」をECで販売しているモノリスでは、18年以降売り上げが急伸。同商品は、累計15万個を販売するヒットを記録しているという。健康食品通販を手がけるクレアルでは、認知症予防に効果が期待されるコーヒー由来成分「トリゴネリン」を高配合した「トリゴネージコーヒー」が売り上げを伸ばしており、今では、同社の主力商品となっている。最近では、コーヒー成分の美容効果にも注目が集まり始めており、EC市場では、シャンプーやスクラブ剤など、コーヒー由来の化粧品も多く発売されるようになってきている。?コーヒーで健康・美容?の市場は、まだまだ拡大しそうだ。

■定番は「ダイエット」

 以前から、コーヒーのカフェインをダイエットに役立てようというコンセプトの商品は人気だった。コーヒーに、ダイエット成分を加えることにより、さらに高いダイエット効果を得ようという商品も多く販売されている。
 エル・エスコーポレーション(本社東京都)が販売する「かるガルDIET COFFEE(ダイエットコーヒー)」は発売から25年にわたり売れ続けるロングヒット商品。累計30万個を販売している。ダイエット成分として知られる、カルダモンとガルシニアを配合しているという。
 近年では、ダイエットに適しているとされる「バターコーヒー」を手軽に作れる商品もECを中心に人気となっているようだ。
 「バターコーヒー」は、通常のコーヒーに、「グラスフェッドバター」や「MCTオイル」を加えて作る。脂肪の燃焼を効率化する働きがあると言われており、腹持ちも良いという。
 バターコーヒーは自作すると、一つ一つの材料の価格が高いことが多い。一般的なスーパーでは、材料の取り扱いがない場合も少なくないという。そんな中、モノリス(本社京都府)が販売する「チャコールバターコーヒー」や、勝山ネクステージ(本社宮城県)が販売する「MCTコーヒークリーマー」などが、ECで人気となっている。話題の飲み物を簡単に作れる点がヒットの要因になっているようだ。
 モノリスも勝山ネクステージも、35~45歳の女性顧客が多いという。
 ダイエット用途のコーヒーは、日常的に飲むコーヒーを置き換えるだけでよいため、継続にもつながりやすいようだ。
 コーヒーの機能性は、ダイエット以外の分野にも広がってきている。高齢者をターゲットとした健康コーヒーとしては、認知症の予防に効果があるとされるコーヒー由来成分「トリゴネリン」の注目度も高まっている。
 健康食品通販を行うクレアルでは、トリゴネリンを高配合した「トリゴネージコーヒー」を販売している。同商品は売り上げを拡大させており、いまや同社の主力商品にまで上り詰めたという。同商品の販売は当初、紙媒体と自社ECサイトを中心に行っていた。20年3月にはアマゾンでの販売を開始。21年1月には、楽天市場での販売も開始したという。以降、ECでは、アマゾンでの売り上げが急増しており、21年1月~6月のアマゾンでの売上高は、20年7~12月の2・5倍になる見込みだという。


■飲料以外は海外から

 コーヒーが持つ、脱臭効果、抗酸化作用、ヘッドスパ効果、紫外線防御効果などを生かし、飲料以外の製品を開発し、ECなどで販売する動きも出てきている。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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