アスクル 20年5月期/売上4000億円突破/BtoBはコロナで35億円の減収

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 アスクルの20年5月期における通販事業の売上高は、前期比3.0%増の3924億600万円だった。ロジスティクス事業なども含んだ連結売上高は、同3.3%増の4003億7600万円となり、初めて4000億円を突破した。BtoB事業は新型コロナウイルス(コロナ)の影響で純第4四半期の売上高が35億円程度、営業利益が5億円程度のマイナス影響があったという。
 BtoB事業の売上高は、同4.2%増の3290億円だった。コロナの影響で純第4四半期は、前年同期比で減収になった。
 今後もリモートワークの継続などにより、法人需要の成長は限定的と見込んでいる。さらに4月から同一労働同一賃金の導入による倉庫の人件費増加などを踏まえ、21年5月期の売上高は微増、営業利益は30億円の減少を見込んでいる。
 基幹事業であるBtoB事業に経営資源を投下し、ニーズの変化に対応しつつ成長を継続する。ビッグデータを活用し、商品や物流、マーケティングの精度を高め、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスとして、さらに価値を高めたい考えだ。


■BtoCは赤字幅減少

 BtoC事業の売上高は、同3.0%減の633億円だった。日用品ECサイト「LOHACO(ロハコ)」の売上高は、同5.3%減の486億円。営業損失は62億円(前期は営業損失92億円)だった。
 「LOHACO」は23年5月期の黒字化に向けて構造改革を進めている。20年5月期は、売上高が減少したものの、売上総利益率は前期比1.9ポイント改善している。コロナで需要が拡大しており、出荷能力を増強したことで、純第4四半期は売り上げを伸ばした。
 22年5月期以降、ヤフーが提供するECシステム「XSエンジン」を導入し、固定費率を大幅に削減する計画だ。現状の売り上げ水準で黒字化を達成できる見込みだという。
 吉岡晃CEOは、「コロナの感染拡大により、社会のインフラとしての期待を強く感じる。BtoB事業ではマイナスの影響もあったが、EC市場の拡大はチャンスだと捉えている。今後は環境保全や社会課題解決を考えた『エシカルeコマース』として、より社会に求められるサービスを目指す」と説明した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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