ファーストリテイリング 〈自動倉庫を世界展開〉/有明では人を90%削減、最短15分出荷

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RFID自動検品機にコンテナが運ばれる

 ファーストリテイリングは10月9日、マテリアルハンドリング(マテハン)システム世界最大手のダイフクをパートナーとして、最新鋭の自動化設備を導入した倉庫を世界展開する方針を発表した。都内・有明にあるEC専用倉庫において、ダイフクのマテハンを導入し、”ほぼ自動化”を実現。人材を90%削減し、注文から最短15分で出荷できる倉庫を構築した。有明倉庫の成功を世界展開し、国内外におけるオムニチャネル化の促進につなげる。
 ファーストリテイリングは、ダイフクと戦略的パートナーシップを締結し、自動倉庫の海外展開を促進する。柳井正社長は、「2〜3年で全世界の拠点で自動倉庫を稼働させたい」と意気込む。
 すでに中国やタイ、オーストラリア、米国の西・東海岸では、ダイフクと共同で自動倉庫の開発に着手。一拠点当たり10億〜100億円の投資を見込むという。


■自動化設備を随所に導入
 有明倉庫はRFID自動検品機や自動製函・封函機、方面別仕分けソーター、自動オリコンたたみ機など最新機器を導入し、ピッキングや配送車への荷積み以外を自動化している。人が行っていた作業をほぼ自動化することで、入庫生産性80倍、出庫生産性19倍、省人化率90%を実現している。
 人が行っているピッキングにおいても最新設備「QPS(クイック・ピック・ステーション)」を導入し、スタッフの教育コストを80%削減した。配送車への荷出しも人力だが、配送方面別に自動仕分けし、労力を削減している。人工知能(AI)を搭載したカメラを配置し、効率的に遠隔監視している。
 自動化を推進することで倉庫は24時間稼働し、出荷能力は大幅に向上した。以前は早くて注文から8〜16時間で出荷していたが、現在では15分〜1時間で出荷できているという。


■混乱からダイフクと協業
 有明倉庫は15年ごろ、運用やシステムに混乱が生じ、配送遅延を起こす事態に陥った。物流改革を進める中で実績豊富なダイフクの協力を仰ぎ、最新性の倉庫を構築した。
 「ダイフクとは企業体質が似ている。現場第一で最後まで徹底的にやる。さらにグローバル化しないと成長はないという考えも一致していた」(柳井社長)と話す。
 ダイフクの最新設備を導入しただけでなく、運用後のエラーを一緒に改善したという。ファーストリテイリングもダイフク任せにするのではなく、自らできるところは率先して改善。こうした取り組みにより、アパレル業界で最大かつ最新だと自負する倉庫を構築できたようだ。
 「今後は完全自動化を目指す。具体的に言えないがすでに新たな仕組みをテストしている。進化し続ける倉庫にしたい」(神保拓也執行役員)と話す。

(写真左から)ファーストリテイリングの神保拓也執行役員、柳井正社長、ダイフクの下代博社長、権藤卓也執行役員

自動保管倉庫の規模はダイフクの顧客企業でも最多クラス

スタッフが1歩も歩かずピッキング

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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