【通販・EC実態調査】「リアル回帰」と「AIシフト」鮮明に/新規獲得「苦戦」が7割、CPA高騰でモデル転換期に(2026年1月8日号)

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 本紙がこのほど行った、通販・EC事業者を対象としたアンケート調査で、約7割が新規顧客の獲得に苦戦している実態が明らかになった。「獲得単価(CPA)の上昇」を実感している事業者も約7割あった。従来型のマーケティングモデルが限界を迎える中、事業者は「リアル活用」や「TikTok Shop」など、未着手だった販路に手を伸ばしている。生成AIの活用率が87%に達していることも分かった。価格交渉を含め購買を自動化する「エージェンティックコマース」への期待も高まっているようだ。(3面に関連記事)

■新規獲得苦戦7割

 本紙はこのほど、通販・EC事業者に向けて、アンケート形式で実態調査を実施、総計57社が回答を寄せた。
 回答によると、通販業界の新規獲得は難航しているようだ。「新規顧客獲得の状況」について、「獲得にやや苦戦している」(59.6%)、「かなり苦戦している」(8.5%)という回答を合計すると、47社中32社(68.1%)を占めた。
 「顧客の獲得単価」については、「上がっている」が15.2%で、「やや上がっている」が54.3%だった。合計すると46社中32社(69.6%)となり7割近くを占めた。集客のための費用が利益を圧迫する構造が常態化しているとみられる。
 各社が模索しているのは「デジタル完結型」からの脱却のようだ。具体的な集客強化策について聞いたところ、「リアル」「SNS」「AI」「動画」の活用を進めているという企業が多かった。「ウェブ広告の最適化だけでは戦えない」という現場の危機感が浮き彫りとなった。
 目立ったのは、OMOやオフライン接点の活用への熱視線だ。「実店舗との融合でブランドの魅力を伝える」「オフラインとオンラインのハイブリッド展開を行っている」「リアル販促」といった声が相次いだ。コロナ禍の影響から完全に脱却し、オンラインの獲得効率が悪化する中、より深く強い結びつきを求める企業が増えている。通販・EC企業におけるオフライン活用はますます進みそうだ。
 ウェブ上での集客の手法も重層化している。単なるSNS運用にとどまらず、「アルゴリズムの変化を察知した運用」「インフルエンサーとの企画強化」「動画配信によるコンテンツの深掘り」など、より高度で情緒的なコミュニケーションに取り組む企業が増えている。中には「既成概念を取り払った新しい集客手法」を掲げる企業もあった。手法の選別ではなく「全方位での顧客接点創出」が生き残りの条件となっている。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月8日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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