オイシックス・ラ・大地 23年3月期/Oisix売上2%増/高島社長「BtoCを2000億円に」(2023年5月18日号)

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 オイシックス・ラ・大地が発表した23年3月期決算によると、食品EC「Oisix」の売上高は、第4四半期中に実施したプロモーションが後押しし、前期比2%増の594億1000万円だった。
 営業利益は同8.0%増の75億6000万円。連結ベースの売上高は同2.0%増の1151億7000万円となっている。
 「Oisix」の会員数は、11億円を投じた特別プロモーションにより、第3四半期末と比べて3万3000人増の40万1000人に到達。ただ、入会後5週以内の早期解約者を除外した実質会員は39万3829人としている。
 会員1人当たりの月間購入金額は、会員数の急増に伴い単価の低い新規会員も増加したため、前期より2%減の1万1873円となった。
 ミールキット「Kit Oisix」の会員は同22%増の27万5717人だった。若いファミリー層以外のエルダー層やミレニアム世代の新規会員比率が増加。一部チャネルで戦略的に会員獲得条件を緩和したことも奏功した。高島社長は「まだアプローチできていない顧客への潜在的なニーズが分かった」と説明した。
 一方で、1人当たりの獲得コストの回収期間が約2倍前後に増加。ポスティングや新聞などのアナログ媒体、ユーチューブによるプロモーションが向上した。顧客獲得のCPAを改善していくことで新たな獲得モデルの構築を目指す。
 冷凍物流設備の増強を目指し、24年春までに「ORD厚木冷凍ステーション」を段階的に稼働。自動化を推進することで前期末比3倍の冷凍出荷能力を確保して物流コストの削減を目指す。
 5月11日にオンライン開催した決算説明会で、高島社長は中長期計画の中で、BtoC事業は早期に2000億円にまで引き上げることも明らかにした。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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