大地の力研究所/「むぎおう」に新たな機能性/ビフィズス菌増やし、腸内への定着を確認(2022年9月8日号)

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 アサヒ緑健(本社福岡県)と、健康食品・化粧品の総合受託メーカーである東洋新薬(本社福岡県、本部佐賀県)の間で設立された合弁会社、大地の力研究所(本社福岡県)はこのほど、大麦若葉末「むぎおう」が持つ新たな機能性を見出したと発表した。「むぎおう」が善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内への定着を促す可能性を確認したという。研究成果は、8月24~26日にオンラインで開催された日本食品科学工学会第69回大会で発表した。
 ビフィズス菌は、乳酸や、殺菌力の高い酢酸を産生し、悪玉菌の増殖を抑制することにより、腸内環境を健やかに保つ役割を果たしている。ただ、ビフィズス菌を摂取しても、腸内には一定期間しか定着しないといわれている。そのため、腸内でビフィズス菌を増やし、かつ定着率を高めることが重要だと考えられるという。
 今回の研究では、「むぎおう」が、ビフィズス菌の増殖に与える影響を評価した。ビフィズス菌の菌液を、大麦若葉末を含む液体培地に接種し、24時間嫌気培養した。培養した液をさらに寒天培地に接種し48時間培養した後、プレートカウント法で生菌数を測定した。その結果、「むぎおう」がビフィズス菌の増殖率を高めることが示された。その影響が、従来の大麦若葉末よりも大きいことも示されたという。
 同研究では、「むぎおう」がビフィズス菌の腸内への定着に与える作用についても評価した。ビフィズス菌の定着率を確認する細胞試験の結果、「むぎおう」ありの場合、なしの場合に比べて、Caco―2細胞へのビフィズス菌の定着率が高まることが明らかになった。この結果から「むぎおう」がビフィズス菌の腸管への定着率を高めている可能性が示されたという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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