エニグモ 中間期/テレビCMで成長加速/新規入会者19%増の33万人

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エニグモが運営しているアパレルの個人輸入代行サイト「BUYMA(バイマ)」の会員が増加している。15年2―7月期(中間期)の新規入会者数は前年同期比18・9%増の33万5528人だった。新規会員が大幅に増えたのは、6月中旬から始めたテレビCMや交通広告、ウェブキャンペーンなどを連動させたプロモーションが最大の要因。当期の流通額も前年同期比5・7%増の105億4800万円に増えた。会員数の急拡大を背景に下期の流通額拡大に弾みがつきそうだ。

「バイマ」の7月末時点のアクティブ会員数(過去1年間で1回以上買い物をした会員数)は、前年の同時点と比べて5・7%増の53万9958人に増えており、順調に事業を拡大している。
 成長速度を加速させるため、今期は広告宣伝費として約12億円を計画している。6月中旬にテレビCMを全国放送したほか、7月上旬には東京メトロ・表参道駅の構内に広告を掲出。ネットとリアルを駆使し、16年1月まで継続的にプロモーションを仕掛けていく。
 テレビCMや交通広告にはモデルの梨花、タレントの小嶋陽菜、主婦層に人気の清原亜希、お笑い芸人でありながら小説家としても注目されている又吉直樹を起用している。
 積極的なプロモーションの効果はすでに顕在化しており、7月単月の受注金額は前年同月比31・2%増だったという。新規会員の増加が取扱高に影響を与えるまで数週間のタイムラグがあるため、マスキャンペーンの効果は下期から本格化する見通し。
 エニグモの売上高は「バイマ」の出品者から受け取る手数料収入が中心となる。中間期における売上高は前年同期比5・0%増の11億5800万円。先行投資を行ったことから営業利益は同96・1%減の2100万円に激減した。
 個人間取引の越境ECに特化した英語版「バイマ」は10月に開始する。日本人を含む世界中の個人が、英語圏の消費者にアパレル製品を販売できるようにする。世界のアパレル市場が拡大を続ける中、国内で培った事業基盤を生かしCtoCのプラットフォーム事業で海外展開に挑む。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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