厚生労働省/来年4月から販売規制/アゾ染料含む繊維、発がん性の恐れで

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 厚生労働省は16年4月1日から、アゾ染料(特定芳香族アミン)を使用した繊維や革製品の販売を規制する。一部のアゾ染料が、皮膚の表面、腸内の細菌、肝臓などで分解され、発ガン性物質を生成する恐れがあるからだ。アゾ染料は繊維や革製品の染色に使われている。海外ではすでに、欧州連合(EU)や中国、韓国、台湾などが規制しており、国内繊維業界でも12年3月、日本繊維産業連盟(事務局東京都、下村彬一会長)が自主基準を公表して注意を促していた。法改正によって販売規制が定まったことで、各アパレル企業は対応に追われそうだ。

抜き打ちで検査実施

 厚労省は4月8日、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」の政令を一部改正。アゾ染料(別表参照)の試料1グラム当たり30マイクログラムを超えて使用した繊維製品を、来年4月から販売規制する。
 国立医薬品食品衛生研究所が09年1~3月に行った調査によると、繊維製品86製品のうち、ランチョンマット7製品から特定芳香族アミンが検出された。
 同研究所が11年に行った調査でも、繊維製品31製品のうち、ショール1製品、マルチカバー3製品、シーツ3製品から特定芳香族アミンを検出。革製品23製品のうち革細工用の端切れ3製品からも同アミンを検出した。
 法改正後は各自治体の保健所が抜き打ちを含めた検査を行う。違反した商品が発見された場合、製造・販売した製品を回収するよう事業者に対して指導する。厚労省は今後、「まず法律を周知することが課題。経済産業省などと協力していきたい」(医薬食品局審査管理課化学物資安全対策室)としている。

(続きは「日本流通産業新聞」6月25日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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