【特別対談:ヤフー 庄司 正弘 氏 ショッピングカンパニー営業本部 スタートアップ営業部×メガバックス 小林 哲也 代表取締役社長】

ヤフー・庄司正弘部長、メガバックス・小林哲也社長(写真右)

 ヤフーは16年7月、ヤフーショッピング内で、役務やレンタルサービスの販売を解禁した。1年が経過した現在では、リフォーム役務の流通額が顕著な伸びを見せている。リフォーム役務の販売解禁に先立ち、アドバイザーとしての役割を果たしたのが、リフォームの通販サイト「リリパ」を運営するメガバックス(本社神奈川県、小林哲也社長)だ。同社は、職人を自社で育成して、大手メーカーやホームセンター、訪販会社などから工事を請け負ってきた実績を持っている。ヤフーショッピングの役務販売のキーマン二人に、好調の背景を聞いた。

 ーーーヤフーショッピング内の役務販売の実績について教えてほしい。

 庄司 昨年7月に役務とレンタルサービスの販売を開始した時点では、10店舗だけだった出店者も、現在は100店舗を超えている。開始2週間の段階で約3000点だった商品数も、7万8187点(8月3日時点)にまで増えた。
 流通額の詳細は公表できないが、最初の3カ月間と直近の3カ月間を比較すると、約10倍に成長している。金額ベースで言えば、リフォーム役務が最も伸びている。

 ーーー役務販売を解禁したのはなぜか。

 庄司 当社はEC化率の向上を目指し「Eコマース革命」という目標を掲げている。役務販売のマーケットは大きい。可能な限り商材は広げたいと考えている。
 最近だと「お坊さん便」の、みんれび(本社東京都)さんの葬儀サービスの取り扱いを開始した。着物のレンタルのようなサービスも、シーズンには高い需要が見込める。
 役務販売のカテゴリーを作るに当たっては、当社としてノウハウを持っていない分野も多かった。そこで、商材ごとに、専門家による監修をお願いしている。

 ーーーリフォーム販売の監修をメガバックスが行っているということになると思うが、監修とはどういうものなのか。

 小林 住宅設備については、当社がカテゴリーの監修を任された。リフォーム業界の構造を一から解説した上で、商品をどのように分類すればお客さんが買いやすいかを話し合った。
 当社はアマゾン・楽天のリフォームカテゴリーの監修も行っている。「ネットリフォーム」は立ち上がったばかりで、まだお互いにライバルというわけではない、業界を一緒に盛り上げていきたいと考えている。

 庄司 リアルで実績がある事業者さんは多い。そのなかで、リアルでもECでも実績がある事業者さんと組みたいと考えていたので、ECサイト「リリパ」を運営するメガバックスさんは最適なパートナーだった。

 ーーーどのような商品が売れているのか。

 小林 当社のサイト「リリパ」では、段々と高いユニットバスが売れるようになってきている。購入者はエンドユーザーが中心だ。
 それでもリフォーム業界のEC化はこれからだと思う。「スマホだけで買える」とうたうことにも、リフォームのECがこれからだということが表れている。他の商材ならわざわざ言わない。
 ヤフーショッピングならポイントが付くので、賢い消費者から利用率が上がってきているのだろう。

 庄司 ポイントが増える5の付く日は売り上げが伸びる。それは高額な役務販売でも変わらない。

 小林 ポイントの賦与は、プロ向けの販売であっても訴求力があると期待している。プロの方々が、リフォーム現場からスマホで施工の手配を行えて、しかもポイントまで付くとなると、魅力的だろう。
 当社と最も関わりが深いメーカーであるTOTOも、元々はネット販売に抵抗が強かったが、徐々に受け入れてきたように思う。「メガバックスさんがやるなら」と信頼してもらっている。

 庄司 実績のある工事会社と提携することで、メーカーさんとの関係もスムーズに進んでいる。

 ーーー今後の方針を教えてほしい。

 庄司 まずは商品点数を増やすことを目標にする。出店に必要な書面の簡易化などを進めていきたい。今後は家事代行やハウスクリーニングのような訪問サービスの出店にも期待している。

 小林 当社のミッションは「お風呂とキッチンを良くする」ことだ。リフォーム業界は多重の下請け構造になりやすい。リフォーム業界に参入する企業に、当社のような自社職人を抱える施工会社が手を貸すことが、業界の健全化にもつながると考えている。

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