<訪販各社>顧客接点を広げる動きが活発/ネット、リアルに活路を求め、成果も

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 訪問販売では接点を持つことができない消費者に向けたアプローチが、訪販や食品宅配企業を中心に活発化している。ダスキンが運営する、新商品などの情報を配信する会員制サイト「ディー・デュエット」は開始から約4年で50万人の会員を獲得。ヤクルト本社はヤクルトレディ(YL)がアプローチできなかった消費者に向けて宅配専用商品をネットで申し込める仕組みを始めた。学習教材を販売するエイジアクリエイト(本社京都府)では、ウェブサイトや店舗に設置したチラシからの問い合わせが増え、新規顧客開拓につなげている。訪販企業にとって、〝ファーストコンタクト〟をいかに広げるかは経営課題の一つ。訪販各社は試行錯誤しながら消費者とのつながりを模索している。

 ダスキンの山村輝治社長は本紙の取材に「苦労しているのはドアツードアでは接点が持てない消費者とのファーストコンタクトだ」と話した。都心部を中心にオートロックマンションなどが増加しているのに伴い、訪販業界では、ドアツードアやテレアポで消費者と接点を持つことが難しくなっている。
 ドアツードアは、販売員による日中の営業活動が中心となるため、仕事で不在がちな30~50代の顧客獲得が課題となっている。テレアポでも、固定電話を設置しない世帯が増え、従来型の販促手法ではリーチできない消費者が増加している。訪販各社では、ウェブやマス媒体を活用したPRのほか、通販を始めることで商品やサービスを知ってもらう機会を増やしている。
 ヤクルト本社は17年10月から、宅配専用商品の配達をネットで申し込める「ヤクルト届けてネット」を地域限定で開始した。19年3月期中に全国に順次エリアを拡大し、3年後に全国で4万3000件の受注(年間における新規申込)を獲得する計画だ。
 原則YLからしか購入できない「宅配専用商品」をネットで注文できるのが最大の売りだ。従来、全国の販売会社や配送センターなどに直接電話して注文する方法でしか購入できない商品も含む。
 各配送センターは定期的(最低1日1回)にサーバーに寄せられる注文を確認した後、顧客に直接電話して注文内容や配達時間帯の希望を聞いたうえで、YLが商品を届ける。注文時に(1)「9時~12時」(2)「12時~14時」(3)「それ以降」(4)「希望なし」ーーーから配達時間帯が選べるようにした。YLが対応できる時間内で不在の場合は、玄関などに「保冷受箱」を設置。全体の半数が「保冷受箱」を利用している。宅配実践課の斎藤憲明課長は「『YLに会いたくない』という人は予想以上に少なく、届く時間を待つのが嫌だという人が多いことも分かった」と手応えを感じている。
 食品宅配のらでぃっしゅぼーや(本社東京都)では、首都圏の食品スーパー「ライフ」8店舗にコーナー出店し、宅配会員登録につなげる。同社では、原則として会員登録しないと商品を購入することができない。コーナー出店は、会員登録せずに商品を購入してもらう手段として有力な顧客接点になるとみている。
 新規顧客に加え、既存会員に向けた追加購入も促す。会員向け情報誌「おはなしSalad」の一般配布版を一部の売り場に設置し、宅配への誘導につなげる。1月15日からは、店頭での購入顧客をセグメントし、レジで次回来店時に利用できる割引クーポンの配布も始める。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月18日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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