消費者庁/定期解約でNG表示を例示/「通販の申込」ガイドラインの意見募集開始 (2021年12月2日号)

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 消費者庁は11月24日、特定商取引法に関連して、「通信販売の申し込み段階における表示についてのガイドライン」のパブリックコメントの募集を開始した。ガイドラインでは、サプリメントや化粧品などの定期購入契約について、の最終申し込み画面の表示例を示している。通販のハガキでの申し込み用紙の様式の例なども提示している。定期購入の解約方法については、不実告知になるケースなどを明示した。


■「解約方法」など三つのポイント

 「通信販売の申し込み段階における表示についてのガイドライン」は、これまで定期購入契約の申し込み画面でいわゆる「総額表示」を義務付けていた「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」を廃して、新たに設けられることが予定されている。
 消費者庁によると、「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」と異なるポイントは主に三つあるとしている。
 (1)全体的に例示を増やしている(2)サブスクリプションについても方法を明示している(3)解約方法について具体的に示している─の3点だという。
 (1)の「例示」について例えば、チラシを切り取って申し込み用ハガキとして使用する場合の表示例や、定期購入の最終確認画面の表示例など、計12種類の表示例を示している。
 (3)の「解約方法」についても、例を示しながら詳しく規定している。「解約方法として電話による連絡を受け付けることとしている場合には、確実につながる番号を掲載しておく必要があり、最終確認画面に表示された電話番号に電話をかけても一切つながらないような場合、『契約の申し込みの撤回又は解除に関する事項』について不実のことを表示する行為に該当するおそれがある」と表示している。


■規制の弱さ指摘する声も

 新ガイドラインについて、特商法や景品表示法に詳しい、東京神谷町綜合法律事務所の成眞海弁護士は、「従前のガイドラインを充実化させ、明確化させているが、実質的な規制の強化にはつながっていないのではないか。大きく変わったのは、『1回目と2回目以降の金額や数量が異なる定期購入契約の場合、最終確認画面で2回目以降の金額や数量を、1回目と比較して小さな文字でしか表示しないこと』を明確にNGとした点ではないか」としている。
 成弁護士は「そもそも、最終確認画面の規制をしても、定期購入契約に関するトラブルが解消されず、むしろ増える一方であるのが現状だ。入り口である広告表示そのものについて、より明確な規制を設けるべきであったと思うし、大きな課題として残されているだろう」としている。
 パブリックコメントは、12月23日の午後2時まで募集している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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