中国政府/個人情報保護法施行/ECモールの価格アルゴリズムに規定(2021年11月4日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 中国では11月1日、個人情報保護法が施行された。個人情報保護法では、「天猫」や「JD・COM」といった、ECプラットフォームの価格設定のアルゴリズムに関して規定を設けている。ECプラットフォームとは別に、中国の消費者の情報を取得している場合、情報の取得に同意を得るプロセスを設けるべきことも規定している。
 JETROによると、中国の個人情報保護法では、「ウェブ上のプラットフォーマーによる、アルゴリズムを利用した差別的価格設定に関する個人情報の取り扱い」について、規定を設けている。
 プラットフォーマーが、個人の行動や習慣、趣味・嗜好、健康状態、経済状況などを収集・分析・評価している場合でも、それによって取引価格や、その他の取引条件について、差別的取り扱いをしてはならないと定めている。「個人的特長に基づかない検索結果」を選択肢として提供する必要があるとしている。
 「天猫」や「天猫国際」に出品している日本のメーカーなどに対する影響は未知数だ。中国ECに詳しいアンボット(本社東京都)では、「越境ECについては今後、個別法が発表され、具体的な対応を求められる可能性もある」(広報)としている。
 日本国内で、中国人向けのサービスを展開している企業にも、中国の個人情報保護法が域外適用される可能性がある。中国ECに詳しい東海大学の小嵜秀信客員准教授は、「中国の顧客相手にウェブサービスを提供している場合、個人情報の取得に関する許諾をとっておく形に移行すべきだろう」と話している。「欧州の個人情報保護法であるGDPRも域外適用の規定を設けているが、中国の方が、欧州に比べて厳しく指摘してくる可能性もある」(同)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ