〈百貨店・ギフト各社〉 各社とも2桁増収見込む/歳暮通販 昨年の好調を上回る計画も(2021年9月23日号)

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 百貨店・ギフトの各社では、早くも歳暮向け通販の準備が始まっている。売り上げが順調だった20年の歳暮通販に続き、今年も同等か前年以上の増収を見込む事業者が少なくない。今期の歳暮通販の計画について、近鉄百貨店は前年の1.3倍、小田急百貨店は同1.2倍の売り上げを目指している。ギフト大手のリンベルは同1.2倍を目標にしている。9月下旬までの各社の歳暮通販に向けた施策、今年の特徴、需要予測などをまとめた。

■昨年に続く増収目指す

 各社に歳暮通販の今年の目標値と、20年の実績や手応えを聞いたところ、コロナ禍が始まった20年は、通販売り上げに手応えを得た企業が多かったようだ。各社は今年もさらなる積み上げや、20年に続く成長を目指す。
 三越伊勢丹HDは、20年の歳暮通販の売り上げ実績が前年比2桁増だったという。今年は中元から継続する形で、環境に配慮した商品の特集や、反響がよかった動画コンテンツを使った取り組みなどを計画している。今年は前年並みの売り上げを目指す。
 近鉄百貨店と小田急百貨店も20年の売り上げが順調で、今年はさらなる上乗せを図る。
 近鉄百貨店は今年の歳暮通販の売り上げについて、前年比1.3倍を計画している。既存顧客には「近鉄百貨店アプリ」を使用した告知を強化。新規顧客にはウェブ広告による告知を積極化する。
 小田急百貨店の今年の売り上げ目標は前年の1.2倍。初めてECで歳暮を注文する人が増えていることを受け、お薦め商品を分かりやすく訴求していく。「カテゴリー別に1ブランドをクローズアップし、お買い上げ抽選特典付きのキャンペーンを強化している」(小田急百貨店・総務部広報担当)と言う。メルマガの配信強化やウェブ広告の強化にも取り組む。


■コロナ禍でギフト需要増

 カタログギフト大手のリンベル(本社東京都、東海林秀典社長)は今年の売り上げについて、前年比20%増を目標としている。20年の前年増減比は不明だが、「コロナの影響もあり、大きく伸ばすことができた」(リンベル・経営戦略本部)と回答している。
 シャディ(本社東京都、冨田範彦社長)は、今年の売り上げ目標を前年比1.2倍とした。20年は例年以上の注文があり、活況だった。「コロナ禍で直接会いにくいからこそ、離れた場所にいる大切な人に気持ちを込めてギフトを贈りたい」という需要を感じている。
 自社サイトやECプラットフォームでギフトECを手掛けるベルヴィ(本社兵庫県、宮崎義則CEO兼COO)は今年、前年比約40%前後の増収を目標としている。20年の歳暮売り上げは前年比31%増だった。今年は既存顧客にメールや「LINE@」を使用した歳暮特集を案内。新規顧客獲得のためには、ECモールの歳暮広告を引き続き積極活用していく考えだ。
 ギフトパッド(本社大阪府、園田幸央社長)は今年、前年比1.6倍の増収を狙う。今回取り上げた企業の中では最も大きな伸び幅となる。
 ギフトパッドによると、12月は年間で最も平均購入単価が上がる時期となる。歳暮だけにとどまらず、クリスマス向けの特集企画や新商品のラインアップも増やし、販売数量をさらに上げていきたい考え。集客を狙った広告は平常月よりも増やす予定だ。その他のシーズンギフトより反響が大きかった20年を上回るために準備を進めている。

(続きは、「日本流通産業新聞」9月23日号で)

昨年に続き高級感のある商品の需要を見込む(画像はイメージ)

昨年に続き高級感のある商品の需要を見込む(画像はイメージ)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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