〈特商法書面電子化検討会〉 「適合性ある人だけを対象に」/WTの初会合で主婦連など求める(2021年9月2日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 消費者庁では8月31日、「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」のワーキングチーム(以下WT)の初会合を開催した。主婦連合会など三つの消費者団体の関係者から、契約書面の電子化について、意見のヒアリングを行った。主婦連からは、「書面の電子化の対象となる消費者は、対応できる適合性を有するものに限定すべきだ」といった声が上がった。
 主婦連合会の河村真紀子会長は、契約書面の「電子化に対応できる適合性を有する消費者」について、(1)パソコンやタブレット、スマホ、プリンターなど、書面を確認するのに十分な機器を所持している(2)メールソフトを閲覧するために必要なソフトを導入している(3)それらの機器を日常的に使いこなせている(4)機器の確認の意味を理解している─などの条件を挙げた。
 河村会長は、契約書面のデジタル化について、導入は段階的に行うべきだとも主張。オンライン英会話の申し込みの事例を挙げ、「消費者がオンラインで主体的にアクセスして契約に至った場合のみ、電子書面の交付を行うようにすべきではないか」と主張した。
 (一社)日本消費者協会の橋本康正事務局長は、「原則は紙による書面交付で、消費者が希望する場合のみ電子書面の交付が認められることを明確に説明する」「確実に消費者の端末がメールを受診したことが認識できるものにする」など、11項目の要件を上げた。
 WTは、契約書面の電子化について消費者団体や弁護士など、特商法に詳しい専門家から意見を聴取。22年春までヒアリングと、意見の整理を行い、検討会に報告をする予定だ。検討会は専門家からの意見を踏まえた上で、書面の電子化に向けた報告書のとりまとめを行うとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ