大幸薬品 21年1―6月期/衛生品需要減で減収赤字/ワクチン期待などの要因で(2021年8月26日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 大幸薬品の21年1―6月期(中間期)の連結業績は、売上高が51億600万円、営業損失が22億8000万円の赤字だった。変則決算により前年増減率は不明だが、調整後の前年同期間比は売上高が47.7%減、営業利益は約56億円の減収だった。
 衛生管理製品「クレベリン」の需要が伸び悩み、前年の高い水準から低調に推移した。コロナ禍の長期化による意識の変化や、ワクチン接種による期待感が要因とみる。
 「クレベリン」の生産能力の向上や在庫の確保で需要増加に備えたが、例年と比べて季節性インフルエンザの流行が極端に低く、コロナ関連の需要も鈍かった。除菌関連製品の流通在庫は過剰傾向にあり、調整段階のまま推移したという。
 自社ECサイトの開設や海外の新規チャネルの開拓にも取り組んだが、国内外ともに新たな需要促進には至らなかった。
 中間期の経常損失は27億3700万円、純損失は23億7200万円だった。
 大幸薬品は21年12月期の連結業績予想を下方修正し、通期売上高は前回予想を95億円下回る125億円(前期比28.9%減)とした。「クレベリン」などを展開する感染管理事業はコロナ向けの需要予測が計画を下回ると判断した。
 営業利益は65億円下回り、20億円の赤字(前期は56億5000万円の営業利益)に、経常利益は78億円下回り、34億円の赤字(同54億5400万円の経常利益)とした。
 当期純利益は59億円下回り、28億円の最終赤字(同38億5100万円の純利益)を見込む。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ