楽天 21年中間期/国内EC流通17%増/コロナ初期の前年上回る成長(2021年8月19日号)

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戦略を語る三木谷浩史社長

戦略を語る三木谷浩史社長

 楽天グループ(楽天)の21年1―6月期(中間期)の国内EC流通総額は、前年同期比17.0%増の2兆2777億円だった。21年4―6月期(純第2四半期)における、物販を中心としたショッピングEC流通総額は同3.2%増となった。コロナ禍に入り、EC利用が急拡大した前年同期を上回る実績を上げている。
 20年春の新型コロナウイルスの感染拡大から、ユーザーの定着率が安定して伸びている。21年1―3月に「楽天市場」で購入したユーザーが、同4―6月に購入した割合は約76%に上る。21年6月におけるロイヤルユーザー(3年間で36回以上購買)の割合は、20年6月と比べて12.5ポイント増になっている。
 楽天モバイルとのシナジー効果も発揮している。「楽天モバイル契約者と『楽天市場』のシナジーを見ると、62.9%の契約者が『楽天市場』を利用している。それに対して、他社の場合は高くて26.7%にとどまっている」(三木谷浩史社長)と話す。
 送料込みラインの導入店舗は、21年6月末時点で全体の約90%になった。楽天の物流代行サービス「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」の21年6月末時点における利用店舗数は同79.0%増、出荷量は同72.9%増と拡大している。
 「楽天の最大のボトルネックは配送だった。配送が各店舗バラバラで、料金もバラバラ。それが今は3980円の送料込み(無料)ラインを導入し、お客さまに浸透してきている」(同)と見ている。
 楽天は今後も国内EC流通総額の拡大を見込む。「21年度の国内EC流通総額は5兆円を目指している」(同)と話す。

国内EC流通総額が伸びている

国内EC流通総額が伸びている

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