〈拡大する中国越境EC〉 越境好調で月商3倍増も/ポイントは「知名度」と「市場把握」

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中国対応のTRiCERAのECサイト

 中国向け越境ECで成長を遂げる企業が増えている。化粧品メーカーのアクシージアは、中国向けの越境ECを順調に拡大させており、現在では、売り上げの7割を中国向けECで挙げている。20年8月―21年1月期(第2四半期)の売上高が前年同期比23.4%の26億2800万円となるなど好調だ。現代アートをECで販売するTRiCERA(トライセラ、本社東京都、井口泰社長)は、20年9月以降、月商が前年同月比3倍増のペースで推移しているが、その半数が中国などの海外からの購入だという。中国向け越境ECを成功させるに当たっては、(1)いかに現地での知名度を高めるか(2)現地の市場の状況を正確に把握し、製品・サービスに反映できるか─が鍵を握りそうだ。

■中国越境ECが上場の原動力に

 「目元のケア」や「抗糖化」に着目した、高価格帯の化粧品やサプリメントを製造・販売する化粧品メーカーのアクシージアは21年2月、東証マザーズに上場した。上場の原動力となったのが、中国向けのECだ。
 20年8月―21年1月期(第2四半期)決算では、26億2800万円の売上高の内、中国のECでの売り上げが7割以上を占めた。中国向けECの売上高は、前年同期比39.2%増の18億6700万円。EC以外も含めると、同社は売り上げの9割を中国関連で挙げているという。
 現代アートを販売する自社ECサイト「TRiCERA ART(トライセラアート)」を運営するTRiCERAも、中国向けをはじめとした海外販売を急拡大させている。同社は、20年9月以降の月商が毎月、前年同月比3倍以上で推移するなど、急成長が続いている。現在、売り上げの約半分が、中国などの海外からの購入によるものだという。
 同社の自社ECサイトは7言語に対応しており、世界120カ国以上からアクセスがあるという。中でも特に、香港を含む中国やシンガポールといったアジアからの購入が多いとしている。
 平均顧客単価が10万~25万円になる月もあるという。
 他にも、中国向け越境ECで成長を遂げる企業は数多くある。コロナ禍の中、インバウンドによる日本商品の購入が困難な状況が続いており、越境ECのプレゼンスが相対的に増しているともいえそうだ。
 中国国家統計局などの発表によると、20年の中国のEC小売額は、前年比10.6%増の11兆7601億元(約188兆1616億円、1元=約16円)。EC市場の成長は続いており、日本企業のビジネスチャンスとしても依然として期待ができそうだ。


■7回商品を見ないと中国人は購入しない

 では、中国向け越境ECで成功するためのポイントはどこにあるのだろうか。その一つとして挙げられるのが、「現地での認知拡大」だ。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が21年2月にまとめた「日本企業の海外事業展開に関する2020年度報告書アンケート調査(以下ジェトロ海外ビジネス調査)」では、海外向けECを既に展開している企業に課題を聞いたところ、「自社ブランド認知度向上の難しさ」という回答が、42.5%の人から寄せられたという。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月10日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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