〈特定商取引法〉 改正法案、衆院を通過/電子書面、依然と反対意見強く(2021年5月20日号)

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 定期購入規制や、販売を伴う預託商法の禁止、契約書面の電磁的方法での交付を可能にするといった内容を盛り込んだ特定商取引法の改正案が5月18日、衆議院本会議で与党や日本維新の会などの賛成多数で可決され、参議院に送られた。
 「クーリング・オフの通知を電磁的方法で実施する際に、効力が発生する時期を明記する」「書面の電磁的方法での交付については、施行までの期間を1年から2年に延長する」といった修正案も盛り込まれ議決された。改正原案は賛成多数で可決された。衆院の委員会に参考人として呼ばれた弁護士の池本誠司氏は、原案が通過したことについて、「非常に残念だ。具体的に適応される取引形態などについて議論が全く行われなかった。このままでは消費者トラブルが増えかねない」とコメントした。
 14日に開催された衆院の消費者問題特別委員会では、野党から反対意見が相次いだものの、賛成多数で可決した。立憲民主党の柚木道義議員は、修正案については賛成するものの、原案には反対の姿勢を示した。「書面の電子化は消費者被害を拡大することにつながるのではいか。消費者団体からの反対も根強く残っている」と主張した。
 共産党の畑野君枝議員は、反対という立場を鮮明に打ち出し、「電子書面により消費者被害が拡大することは明白だ。消費者の『承諾』の取得を実質化するというが、実効性もなく被害を未然に防ぐことはできない」と述べた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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