〈ファッションEC業界のSGDs〉 事業成長と両立する企業続々/サステイナブルビジネスで40%増収も

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海沿いで回収したプラスチック廃棄物を有効活用する技術「PRIMEBLUE」を用いて開発されたアディダス商品

ファッション・アパレル通販業界では、「サステイナブル(持続可能)」を志向する企業が増えている。ファッションは「環境汚染に最も深刻な悪影響を与えている産業の一つ」などと言われることもあり、課題解決に向けサステイナブルな取り組みを行う企業が世界的に増加傾向だ。国内においては、企業の成長とSDGsを違和感なく融合させるビジネスモデルも出てきている。シェアリングモデルでサステイナブルなファッションサブスクを展開するエアークローゼットは、20年6月期の売上高が前期比40%増になるなど急成長を遂げている。SDGsというと、「余裕のある会社が余力で取り組む社会貢献活動」と思われがちだが、サステイナブルな取り組みが業績拡大につながる事例も増えてきている。アディダスもサステイナブルなコンセプトの商品の、売り上げの伸長が著しいという。同社では、24年までに全ブランドにおいてリサイクル素材を採用する目標を掲げている。サステイナブルな取り組みが、新規顧客獲得につながる事例なども増えてきている。

■SGDsと成長を融合

 洋服のサブスク「airCloset(エアークローゼット)」を運営するエアークローゼット(本社東京都、天沼聰社長)は、20年6月期の売上高が前期比40%増となった。21年2月時点の累計会員数(無料会員含む)が前年同時期比50%増の45万人になったという。
 好調に成長を続ける同社では、創業当初からサステイナブルな取り組みを推進している。これまでに、リユース、リサイクル、持続可能な電力利用の推進、寄付プロジェクトなどを積極的に行ってきた。廃棄につながる洋服の減少を目指し、服の回収キャンペーンも行っている。
 そもそもファッションサブスクというビジネスモデル自体が、サステイナブルな価値観との親和性が高い。消費者の「さまざまなファッションアイテムを使用したい」「服がたくさんあっても収納する場所がない」といったニーズに対応する「シェアリングモデル」のサービスを提供することで、結果的に、洋服の大量消費・大量廃棄を防ぐことに寄与している。
 エアークローゼットのビジネスモデルはまさに、企業の成長とSDGsが違和感なく融合した代表事例といえるだろう。


■6年で廃棄バッグゼロ

 バッグのサブスク「ラクサス」を提供するラクサス・テクノロジーズも、サステイナブルなサービスを提供し、業績を伸ばしている。有料会員の平均の継続率は90%以上に達しており、20年3月期の売上高は前年比10%増になったという。
 同社では「消費型の古い社会から循環型の新しい社会へ導く」「持続可能な社会をつくる」という理念の下、15年にサービスの提供を開始した。
 ラクサスの提供から約6年間で、約50万件のバッグを貸し出してきたというが、同社が廃棄したバッグの数はゼロだという。同社ではメンテナンスに注力しており、総リペアバッグ数は23万個を超える。同社では、会員が使用しないバッグを別の会員に「貸し出し」するサービスも提供している。
 無駄な廃棄物を生まないビジネスモデルを持つ同社の躍進自体が、サステイナブルな社会に向けた貢献となっている。


■全製品をリサイクル素材に

 SDGsを志向する取り組みが、ファッションEC企業の業績拡大の要因になるケースも増えている。

(続きは、「日本流通産業新聞」」4月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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