〈特商法改正検討会〉 「販売・預託」セットが対象/悪質預託商法規制の方向性示す

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 消費者庁は5月19日、「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」の第3回会合を開催、預託販売取引の規制の方向性について議論した。(1)預託と販売がセットになっている取引を規制対象とする(2)参入規制を含む厳格な監視体制を強化する─といった点で、委員らの意見がおおむね一致した。
 第3回会合では、「いわゆる悪質な預託販売取引」について、議論。事務局が示したジャパンライフやウィルの処分事例などについて、委員らが意見を交わした。
 弁護士の池本誠司委員は、「預託販売を行う事業者に、継続的監視や登録制を導入し、事業内容を定期的に報告させる仕組みを導入すべきだ」などと話した。主婦連合会の有田芳子委員は「預託販売取引は原則禁止すべきだ」と発言。販売を伴う預託取引に何らかの規制を課すことには、賛同する委員が多かった。
 一方で、「まっとうな事業者への負担にならないよう、規制の要件を明確にすべき」(万場徹委員)や、「インターネットの取引に関する消費者教育も重要だ」(同)といった、事業者の規制以外の仕組みづくりを訴える声も上がった。
 日本商工会議所理事の荒井恒一委員は「地域密着型の訪販事業者の足かせにならないような仕組みづくりが必要だ」と意見。荒井委員は「シェアリングエコノミーのプラットフォーマーが行う事業など、インターネットを通じた取引の実態を十分勘案する必要がある」と話した。
 6月29日に開催する第4回会合では、経済のデジタル化をテーマに、通販の定期購入トラブルや、デジタル・プラットフォーマーの取引実態について、意見交換を行う予定だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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