アイビー化粧品 20年3月期/コロナが年商40億阻む/売上高2桁増も計画届かず

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 アイビー化粧品の20年3月期の売上高は、前期比14.9%増の38億3200万円だった。営業利益は5400万円の赤字となった。前年同期の大幅減収から一転、2桁増収を確保した。期初の計画では売上高40億円を目標に掲げていたが、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたことで、計画の達成には至らなかったとしている。
 売上高が2桁増となった理由として、主力商品である美容液「レッドパワーセラム」の注文が昨年を大幅に上回ったからだとしている。アイビー化粧品では近年、「レッドパワーセラム」が、販社に大量の在庫として滞留していることが業績低迷の要因だとしてきた。20年3月期中に、多くの販社が在庫調整を実施できたことで、追加注文が入るようになり、大幅な売上高の伸長につながったとしている。
 ただ、アイビー化粧品では「期初には、『レッドパワーセラム』の販売本数を15万本強としていたが、実際はその半分程度しか達成できなかった」(中山聖仁取締役)としている。「20年3月期中は、健康食品の新製品を多くリリースした結果、顧客の注目が主力製品からずれてしまった」(同)とも話している。
 アイビー化粧品は21年3月期の業績目標として、売上高40億円、経常利益2億円を掲げている。同社では、20年4月から5月にかけて、新型コロナウイルスの影響を受けたとしているが、「業績目標は、ウイルスの影響を差し引いて定めた、達成可能な目標だ」(同)としている。
 アイビー化粧品では、新型コロナウイルスの影響で、新規顧客創出のための研修イベント「美容教室」や、新たな販売員育成のためのイベント「SA研修」などを実施できない状況が続いているという。5月25日に緊急事態宣言が解除されたが、宣言の発令以前と同様に研修を実施できるかは、「現段階では不透明だ」(同)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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