ヤクルト本社 20年3月期/乳製品訪販は3.3%減に/YL数減も、定着率向上

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 ヤクルト本社の20年3月期における、乳製品と化粧品の合計売上高は前期比0.1%増だった。ヤクルトレディ(YL)が扱う宅配専用商品「ヤクルト400類」の1日あたりの販売本数は、既存YLが減員したことに加え、新規採用難が影響し、同3.3%減の335万本と、前年同期よりも11万3000本減少した。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、人口密集エリアについては対面での販売を回避し、専用の保冷受け箱を利用した宅配のほか、配送センターでの店頭販売を強化した。国内のYLの営業自粛はなく、手洗い強化に伴い、手荒れ防止策のため自社の化粧品を提供したという。
 YLによる宅配事業については、家族全員での飲用が増え、ネット注文も増えており、2~4月における乳製品の本数、金額ともに上がっているという。一方で、化粧品事業はエステサロンを休業にしているという。
 20年3月期末時点でのYL数は19年9月末時点と比べ566人減の3万2665人。ヤクルトビューティ(YB)は同100人減の4600人で推移した。YLの労働環境の整備について推し進めるともに、YLの正社員化を進めることで待遇改善を進めた。
 ウェブ注文「ヤクルト届けてネット」は、登録会員数は約8万7600人。新規申込者数は5万4000人で、販売本数は9万6000本となった。「ヤクルト1000」は計画通りに推移したものの、新型コロナウイルスの影響で、新たなウェブプロモーションと新規申込を中止したため、目標に届かなかった。
 化粧品については、「S.E.(シロタエッセンス)」を配合した基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズを7月に刷新。テレビCMを放送したことで商品の認知を広げた。化粧品の売上高は同0.3%増の67億2400万円だった。
 松井裕一郎宅配営業部長は「YL数は減少したが、定着率は向上している。昨年下半期からヤクルト1000、ヤクルト400Wを導入した地区ではYLの収入も増加しており、それも定着率が向上した要因だ」と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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