〈消費者委員会〉 方向性の模索続く/CtoC・ECのトラブル対応を議論

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 消費者委員会は7月27日、「オンラインプラットフォームにおける取引のあり方に関する専門調査会」の第5回会合を開催した。プラットフォームにおける消費者トラブルへの対応に必要な仕組みを審議するのが目的。個人間取引やECが主な議題となっている。ただ、プラットフォーム運営者も独自にトラブル対応策を取っている。包括的なルールを検討することは難しく、調査会の方向性は定まっていない。
 第5回会合では、論点整理を行い四つの論点案を示した(表参照)。第1回~5回の会合内容から、「メルカリ」を代表とする個人間取引やECをテーマの中心に据えるべきという意見が支配的だ。
 メルカリは約400人体制で常にトラブル対応や違反行為を監視している。人工知能を活用した出品物の監視など独自の対策も施している。
 消費者委員会の岡野利道建議・勧告専門官は「これまでは現状説明に時間を費やし、調査会は道半ば。具体的な方向性は定まっていない。既存の法や規定を改正するものではなく、特にCtoCに関しては規定がないので、事務局側としては整備の余地があると考えている」と説明する。
 調査会の座長代理を務める立教大学法学部の早川吉尚教授は「消費者は、例えばアマゾンや楽天と取引をしていると錯覚する。プラットフォーム側は『取りまとめているだけ』という意識がある。そのギャップをどう埋めるかを考えなければならないが、法的な義務を課すことは難しい」と問題点を指摘する。
 今後、同調査会は論点整理案が妥当であるかを再検討する。19年4月まで各論点を議題に議論を重ねる方針だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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