訪販お断りステッカー/神奈川は導入を見送りに

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黒岩祐治県知事(写真左)とあらい絹代県議会議員

 神奈川県は、消費生活条例改正の議論の中で、「訪問販売お断りステッカー」を貼った家(以下、ステッカー宅)への営業活動を行えなくする不招請勧誘規制の導入を検討していたが、見送りとなった。17年12月5日、神奈川県の黒岩祐治知事が県議会本会議の質疑応答の中で答弁していた。
 17年12月5日の本会議の知事質問で、自民党のあらい絹代県会議員は消費生活条例改正について質問。あらい議員は「訪販事業者の活動を一律に規制することにどれほどの意味があるのか。ステッカー宅が悪質な事業者の餌食になることも考えられる。訪販事業者の中には県内の自治体と提携して高齢者の見回りを行う企業もある。地域のネットワークやコミュニケーションの阻害にもつながりかねない。これらを踏まえて知事はどう考えているのか」といった趣旨の質問をぶつけた
 これに対し黒岩知事はステッカー宅への訪問を禁止する規定を新設することについて、「悪質な業者からの被害を防ぐのに規制は最善の解決策とは言えない。業界の自主規制やガイドラインの策定が、あらゆる業界に広がるよう働きかけたい。そのために悪質な勧誘の撲滅を目指す宣言を知事自ら行いたい」などとして、ステッカー宅への訪販禁止規定を改正案に盛り込まない方針である旨を答弁した。
 パブコメの結果も17年12月22日に公表された。意見提出件数は1223件、そのうち「お断りステッカー」に関する意見が、半数以上にあたる658件あった。同日公表されたパブコメ結果に対する県の考え方としては、「『訪問販売お断り』などのはり紙等により、訪問による勧誘を拒絶する意思を示している世帯へ訪問することを禁止することについては、県議会や県民意見の内容を総合的に判断して、条例改正素案には盛り込まないこととしました」と明記された。
 黒岩知事の答弁を受け、「訪販お断りステッカー」規制の導入を推進していた神奈川県の弁護士会(事務局神奈川県、延命政之会長)は猛反発している。17年12月15日には、延命会長の名義で抗議の意を表明する声明を発出した。「(黒岩知事の)答弁は、プロセスにおいても、実態においても、重大な問題をはらむものであり、当会として到底容認することはできない。直ちに撤回のうえ、訪問販売規制を含めた条例改正案について、県議会における審理がなされるよう強く求める」としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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