〈消費者委員会〉 地方消費者行政を議論/デジタル化加速に不安の声も (2022年2月10日号)

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 消費者委員会は2月2日開催の本会議で、地方消費者行政の充実強化について議論した。本会議では、地方の消費生活相談体制の強化や、相談体制のデジタル化について検討、委員からはデジタル化の急加速に対する不安の声も上がった。
 消費者委員会では、消費者基本計画の検証・評価を進めている。その一環として、2日の本会議では、地方消費者行政について検討を行った。
 (公社)全国消費生活相談員協会(事務局東京都)の中部支部長である清水かほる委員は、地方における消費生活相談のデジタル化について「コロナ前までは、消費者行政のデジタル化はまだ先の話だった。コロナ禍でデジタル化が急加速したため、混乱している現場もある」と現状を報告。「時代に対応するためにも、現場と消費者庁が一体となって取り組む必要がある」と話した。
 これに対し、消費者庁は、「長期の視点とはいっても、デジタル化はすぐそこまで近づいている。早急に対応していきたい」と話した。
 高知大学の理事・副学長である受田浩之委員長代理は、「消費生活相談のデジタル化に係る中間的とりまとめ」で示された「DX後のサービス全体俯瞰図」について「重要な観点が抜けている」と指摘した。「現在の図では、課題が顕在化してから、情報収集をするのが第一歩になっている。コロナ禍では、リアルなコミュニティーが失われつつあり、問題を問題として認識する情報収集が欠落している。その点をどう解決するかを示す必要があるのではないか」と考えを示した。
 これに対して消費者庁では、「見守りネットワークの活用や、消費者被害の事例の共有、配布物での告知などにより未然に防ぐ活動を続けていきたい」と話した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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