消費者庁/「営利意思」など基準に/DPF新法対象の指針案公開 (2022年2月3日号)

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 消費者庁は2月1日、デジタルプラットフォーム(DPF)の商取引における消費者保護を目的とした新法の適用対象となる「販売事業者等」の判断基準に関するガイドライン案を公表した。「営利の意思」「反復継続性」などを判断基準に、個人を装う事業者の取引なども新法の対象となる可能性を示唆した。
 5月までに施行される見通しの「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(取引DPF消費者保護法)」では、DPF上での消費者と「販売事業者等」間での通信販売取引が対象になると明示されている。
 「販売事業者等」とは、「販売業者又(また)は役務の提供の事業を営む者」を指し、BtoC取引全般が対象となる。
 CtoC取引が主に行われているDPFにおいても個人の生活領域の範囲を越えた出品者による取引や、それらに起因する消費者トラブルも問題視されていた。こうした、個人(C)を装う事業者(B)は「隠れB」と称されている。
 「隠れB」をいかに、法の枠組みに当てはめていくかは、新法の円滑な施行に向け結成された「取引DPF官民協議会準備会(準備会)」でも盛んな議論が重ねられてきた。
 準備会でのこれまでの検討内容などをもとに、消費者庁が主体となり、「販売業者等に係るガイドライン(案)」をまとめ、公開した。
 「ガイドライン(案)」では、DPF上の取引の多様性から「画一的な基準を定めることは困難」とした上で、「販売事業者等」の特性である「営利の意思」や「反復継続性」を判断するための考慮要素や具体例を示している。
 その中には、「相当数の新品商品の販売」「同一商品の複数出品」など、「隠れB」による販売やDPFでの転売行為を念頭に置いたとみられる例も明記された。
 同日に実施された準備会の第4回では、「ガイドライン(案)」をもとに、新法の適用対象となる「販売業者等」の該当範囲を巡る意見交換が行われた。
 各構成員は大枠について賛同の意思を示したものの、細部の改訂やより具体的な例の明記などを望む声が上がった。
 「販売業者等に係るガイドライン」は準備会での意見などを踏まえ、4月中をめどに策定される見通しだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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