〈書面電子化検討会〉 「通販にも書面交付義務を」/消費者2団体が慎重な議論求める (2022年1月13日号)

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 消費者庁では21年12月21日、特定商取引法の契約書面等の電子化に関する検討会のワーキングチーム(WT)の第5回会合を開催した。会合では、適格消費者団体の消費者機構日本と京都消費者契約ネットワーク(KCCN)の2団体が意見を述べた。消費者機構日本は、「消費者のデジタル対応能力の確認を義務付けることを政省令で要件として定めるべき」などと進言した。「通信販売の勧誘の巧妙化に対応するため、通販にも書面交付の義務化を検討すべきではないか」などとする意見も述べた。
 消費者機構日本は、消費者からの電子書面の交付の承諾のとり方について、三つの方法を要件として設けることを提示した。
 (1)デジタル対応能力の確認の義務付け(2)契約書面の持つ意味を明確に理解させるための説明(3)消費者が自身の保有する端末から電子メールで交付を承諾すること─の三つだ。
 消費者機構日本は、電子書面の提供のあり方として、「『メールのタイトルを明示する』『書面をPDF化して、メールに添付して送信する』などの方法も、政省令で要件として設けるべき」といった提案も行った。
 KCCNは、「特商法における電子書面の交付は、社会のデジタル化と十把ひとからげに語られるべきではない。トラブルが起きやすい特商法の取引類型ごとに対応する必要がある」などと述べた。
 書面の電子化について、「あくまで例外的なものとして許容し、不意打ち性を払しょくする方法がとられる必要がある」とした。
 WTではその他、(一社)ソフトウェア協会が、北海道の調剤薬局などの事例を基に、店舗販売や対面販売の書面電子化のメリットについて意見を述べた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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