2020年EC市場展望

モール対策

ECエバンジェリスト

 川添隆 氏 モールの変化続く、今こそ見直しが急務

 「メガネスーパー」を展開するビジョナリーホールディングスで執行役員デジタルエクスペリエンス事業本部の本部長を務めたり、コンサルタントとしてアパレル企業を支援する川添隆氏は、ECエバンジェリストという肩書を持ち、講演やメディアに引っ張りだこだ。自らもECやオムニチャネルのマネジメントを行うとともに、さまざまな企業の支援を行う立場から、変化の激しいECモールへの対応策を語ってもらった。川添氏は「これまでのやり方は立ち行かなくなる」と警鐘を鳴らす。

 EC事業者はECモールに依存するのではなく、使い倒すスタンスで向き合うべきだ。ECモールは20年も激しい競争を続け、出店者は変化に振り回される可能性もある。
 多くのアパレル企業からアマゾンの店舗が最も成長しているという声を聞く。広告が運用しやすく、集客効率が高いようだ。ただ、アマゾンも国内でファッションアイテムのPB展開を開始している。価格が安く、米国でのレビューを生かしており、プライムマークも付いている。アマゾンで売るための条件を満たしている。
 楽天は共通の送料無料ラインを導入する。単価が高めで利益が確保できている企業の影響は小さいが、単価が低い商品や低利益率の商品を扱う企業は対策が求められる。
 台風の目はソフトバンクグループだ。20年も企業を買収する可能性はある。新たなM&Aに出店者は振り回されるかもしれない。
 宅配クライシスによる運賃値上げに対応するために、ビジネスの構造を変えている企業がある。モールの出店者は20年以降もモール自体の変化に対応していかないといけない。モールだけでしか販売していないEC事業者は、変化に耐えきれないかもしれない。
 ある起業家はソフトバンクグループによるZOZOの買収を見て、「ECが成熟産業になった」と語った。局面の変化をしっかりと受け止める必要があるだろう。
 これまでのようにモールで安売りをして量を売り、ランキングの順位を上げて、さらに売り上げを伸ばし、後から利益を取るというようなやり方では長続きできない。利益率を高めるために販売商品の精査や、商品開発の重要度を高める必要があるかもしれない。
 自社の価値を見直し、ブランドを再構築しないと生き残れなくなる。これまでもそうだが20年以降は特に、小手先のテクニックではなく、本質を追求することが鍵となりそうだ。


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