2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
事業者に聞く!【2022年 事業戦略】
合同会社 さくら
代表 仲庭拓也 氏
生き残りをかけた3つの戦略
有力EC企業のコンサルティング実績が豊富な合同会社さくらの仲庭拓也代表は、2020年もECモール市場において想像していなかった変化が進むと見ている。EC事業者は商品力やブランド力を育成するとともに、他店にはない価値を付けることが必要だ。外部環境の変化や商品のコモディティー化から生き残るため、三つの項目に注力すべきだという。
まず「商品価値構成改革によるブランド力の向上」に注力すべきだ。
昨年まではインフルエンサーを活用して、商品を拡販する成功事例をたくさん見かけたが、長期的な売り上げ向上につながるケースは少なかった。20年は商品やブランドの新たな価値の創造を行い、インフルエンサーだけではなく、お客さまとの複数の接点においてその価値を伝えていく取り組みが必要だ。
次に「多店舗展開によるマーケットシェア拡大」が重要だ。
複数店の運営による売り上げ向上やリスク回避だけではなく、競合店と戦うことで商品力や販売力強化に結び付けることができる。
競合他社に負けない商品サムネイル画像、商品機能の紹介、集客力を身に付けたい。他社の商品ページやレビューを研究し、お客さまが買う理由を分析することで、自社の強みを最大限に生かした商品やブランドの創出につなげることができるだろう。
最後に「人材育成の仕組み化と業務の自動化」に取り組むべきだ。
EC業界の人材不足に対応するため、外部の企業や人材を活用するとともに、人に頼らないEC業務のシステム化に加え、日常業務の自動化にも力を入れていきたい。
今までは各種プログラミングによるシステム化を進めてきたが、RPAも実用化できるレベルまで成熟してきている。売り上げ向上に注力できる運営体制を構築することが急務だ。
外部環境の変化やコモディティー化は進化の過程において必然的かつ突発的に発生する。ピンチをチャンスとして捉え、自社の強みを振り返り、新たな価値の創造を継続的に行っていきたい。
- 2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- List
事業者に聞く!【2022年 事業戦略】
バルクオム
CEO 野口卓也 氏
コロナ禍でも増収増益
more
アサヒグループ食品
コンシューマ事業本部 アサヒカルピス健康通販部 部長 岩崎琢也 氏
社会貢献するブランドへ
more
cotta
社長 黒須綾希子 氏
手作りキットで購入意欲かき立てる
more
ワークマン
EC事業部部長代理 加藤健 氏
アンバサダー生かし、新しい販売手法に挑戦
more
ユナイテッドアローズ
執行役員CDO 藤原義昭 氏
OMO成功の鍵はコミュニケーション
more
高島屋
クロスメディア事業部事業部長 郡一哉 氏 EC事業部事業部長 西名香織 氏
日常使いの利用を加速
more
ルームクリップ
代表取締役 高重正彦 氏
消費者が能動的になる1年
more
タンスのゲン
常務取締役 橋爪裕和 氏
自社サイト軸に顧客接点強化
more
ストリーム
代表取締役社長 齊藤勝久 氏
SDGs背景にリユース事業拡大
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈資材調達難〉
shizai
サプライチェーン責任者 岡本大祐氏 氏
商品ジャンルに関わらず、資材の値上げが予想
more
いろは
経営コンサルタント 竹内謙礼 氏
価格高騰でECは競争激化
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈OMO〉
さくら
代表 仲庭拓也 氏
生き残りをかけた4つの戦略
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈越境EC〉
フューチャー
社長 小柳みゆ 氏
急成長プラットフォームで商機をつかむ
more
BEENOS
CEO 直井聖太 氏
”物流”懸念継続もチャンスは依然拡大
more
キレイコム
社長 上田直之 氏
コミュニティー活用広がる
more
ワサビ
代表 大久保裕史 氏
環境整備進み挑戦が容易に
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈メタバース〉
〈メタバース〉一般社団法人 ジャパンEコマースコンサルタント協会
代表理事 川連一豊 氏
22年はメタバースEC元年
more
HIKKY
代表 舟越靖 氏
「体験」前面に活用広がる
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈動画コマース〉
サムライパートナーズ
プロモーション事業部長 青木康時 氏
インフルエンサーD2Cが新マーケに
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈コンプライアン〉
東京神谷町綜合法律事務所
弁護士 成眞海 氏
特商法違反の摘発が増える
more