2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈越境EC〉
大都
代表取締役 山田岳人 氏
小売業の淘汰進みD2C企業が拡大
DIY用品のECサイトを運営する大都(本社大阪府)の山田岳人社長は、19年のEC市場について、大手ECモールを中心に、小売り業態のEC店舗の淘汰と、メーカーによるD2Cモデルの展開が進むと話している。
メーカーがECサイトで直接顧客に商品を販売する、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の時代が訪れている。一方で、メーカー直販が進めば小売りのEC店舗が淘汰されていくだろう。メーカーも小売りも、一つの「ブランド」としていかに消費者に訴えかけていくか、ということが今後は問題になっていくのではないか。
消費者は現在、ECを利用するとき、一定の決まった「経済圏」で購買活動を行う傾向が強くなっている。より多くの消費者を取り込むために販路を広げる必要性がある。当社では、今年1月にKDDIが運営するECモール「Wowma!(ワウマ)」に初めて出店する。au WALLETを利用する固有の消費者層、いわば「au経済圏」があると見込んでの展開だ。
現在、政府がSNSやECモールを運営する「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業に、公平性や透明性を保つための規制を検討しているが、Amazonが聞き取り調査への参加を拒否するなど、先行きは不透明だ。政府がどのような形でプラットフォーマーを規制し、自社にどんな影響があるのかをつぶさに把握する必要がある。
18年は大手小売りEC店舗が廃業する事件もあった。19年は、小売りのEC店舗にとって、明暗の分かれる年となるだろう。自社ECにしろ、モール出店にしろ、独自路線を打ち立て、モノだけでなく「価値観」を売ることで顧客を囲い込むことが必要だ。
ECはもはや、テクニカルな工夫だけでは生き残れない。顧客との関係性を重視した「売り方」が必要な時代となってきている。
小回りの利く中小企業の方が、ある意味では有利と言えるかもしれない。
- 2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
- List
事業者に聞く!【2022年 事業戦略】
バルクオム
CEO 野口卓也 氏
コロナ禍でも増収増益
more
アサヒグループ食品
コンシューマ事業本部 アサヒカルピス健康通販部 部長 岩崎琢也 氏
社会貢献するブランドへ
more
cotta
社長 黒須綾希子 氏
手作りキットで購入意欲かき立てる
more
ワークマン
EC事業部部長代理 加藤健 氏
アンバサダー生かし、新しい販売手法に挑戦
more
ユナイテッドアローズ
執行役員CDO 藤原義昭 氏
OMO成功の鍵はコミュニケーション
more
高島屋
クロスメディア事業部事業部長 郡一哉 氏 EC事業部事業部長 西名香織 氏
日常使いの利用を加速
more
ルームクリップ
代表取締役 高重正彦 氏
消費者が能動的になる1年
more
タンスのゲン
常務取締役 橋爪裕和 氏
自社サイト軸に顧客接点強化
more
ストリーム
代表取締役社長 齊藤勝久 氏
SDGs背景にリユース事業拡大
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈資材調達難〉
shizai
サプライチェーン責任者 岡本大祐氏 氏
商品ジャンルに関わらず、資材の値上げが予想
more
いろは
経営コンサルタント 竹内謙礼 氏
価格高騰でECは競争激化
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈OMO〉
さくら
代表 仲庭拓也 氏
生き残りをかけた4つの戦略
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈越境EC〉
フューチャー
社長 小柳みゆ 氏
急成長プラットフォームで商機をつかむ
more
BEENOS
CEO 直井聖太 氏
”物流”懸念継続もチャンスは依然拡大
more
キレイコム
社長 上田直之 氏
コミュニティー活用広がる
more
ワサビ
代表 大久保裕史 氏
環境整備進み挑戦が容易に
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈メタバース〉
〈メタバース〉一般社団法人 ジャパンEコマースコンサルタント協会
代表理事 川連一豊 氏
22年はメタバースEC元年
more
HIKKY
代表 舟越靖 氏
「体験」前面に活用広がる
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈動画コマース〉
サムライパートナーズ
プロモーション事業部長 青木康時 氏
インフルエンサーD2Cが新マーケに
more
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈コンプライアン〉
東京神谷町綜合法律事務所
弁護士 成眞海 氏
特商法違反の摘発が増える
more