2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】〈資材調達難〉
天真堂
代表取締役CEO 児玉和之 氏
中国・越境取引の転機の年に
薬用化粧品のOEM事業を軸に通販・ECの総合支援事業を展開する天真堂(本社東京都)は、中国に向けた越境ECの支援にも注力している。「19年1月の中国・電子商取引法の施行を機に、中国との越境取引は大きな転機を迎える」と話す児玉和之社長に話を聞いた。
今後のEC企業の発展を考えたとき、「国内だけ」「ECだけ」の展開では心もとない。横軸に「日本・中国」、縦軸に「EC・リアル」を配したマトリックスを描き、四つの分野を融合させながら、バランスよく伸ばす必要がある。
中国への越境展開というと、「日本で売れているもの」を、そのまま持っていこうとする企業が多いが、日本と中国では、文化も嗜好も規制も異なる。「中国でも売れる」商品を開発し、日本でヒットの実績を作り、その後、中国に展開する方が成功確率は高いだろう。
中国でヒットを生むには、中国市場の方向性を把握する必要がある。19年1月の中国・電子商取引法の施行を機に、中国との越境取引は大きな転機を迎えるだろう。
同法のポイントは(1)登録制による課税強化(2)モールの連帯責任制によるセキュリティー・模倣品対策の強化(3)ソーシャルバイヤー・インバウンドへのさらなる課税強化。(3)により、インバウンド需要は大打撃を受けるだろう。越境ECを含め中国に積極的に討って出る必要がある。
中国政府は、模倣品対策も強化している。化粧品の越境ECにおいてもNMPA(旧CFDA)登録をしている「本物」の商品であることが今後意味を増すだろう。当社では、NMPAの登録にいち早く取り組み、認証取得のノウハウを蓄積している。
さらに中国政府では現在、中国全土でコンビニをどんどん増やそうとしている。日本のOTC医薬品が売れるチャンスが増えそうだ。医薬品の製造販売業の認可を持つ当社としては、医薬品の輸出も今後強化していく。
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