2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測

一般社団法人ジャパンＥコマースコンサルタント協会（ＪＥＣＣＩＣＡ、事務局東京都）の代表理事で、ＥＣコンサルタントである川連一豊氏は、２０年に現れた顕著な動きであり、２１年も注目すべきキーワードとして「ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）」を挙げた。

　２０年にＥＣの大きな流れとして感じたのが、環境に対する人々の意識の変化。例えばフードロスに関しては、北海道の「ふっこう福袋」がきっかけになり、他地域でもフードロスをうたうことで、たくさんの食料品が救われた。
　緊急事態宣言で百貨店が閉まることになり、デパ地下の食料品も廃棄せざるを得ないことになってしまった。ここでもＥＣでフードロスの解消を訴えたところ、たくさんの顧客が共感し、多くの食料品廃棄を避けることができた。
　「エシカル消費」というキーワードも出現してきた。エシカルとは、「倫理的」「道徳上」という意味。多くの人が正しいと思うことや社会的規範を基準に購入を決めることを「エシカル消費」と言っている。
　ＳＤＧｓが掲げる１７の目標の１２番目に「つくる責任　つかう責任」がある。持続可能な生産消費を目指すという達成課題だ。持続可能なライフスタイルを考えていくと、人としてエシカル消費を行おうと考えるのは必然的な動き。コロナ禍での日本民族の行動はまさしくエシカル消費、いえエシカルな行動は日本人に合っている。
　２１年がどのような１年になるかはまったく予想も付かない。平和な１年になってほしいと願うばかりだが、われわれの行動が持続可能な社会になるかを考えれば、「エシカル」というキーワードはＥＣにとっても重要になるはず。
　一部の業者のようにエシカル商品ではないのにエシカルの名称を使う行為は、今のユーザーにすぐ見抜かれることになるので、やめるべき。一方、この新型感染症として買いだめは起こる。エシカル消費×買いだめ用商品の企画は必要になる。