2022年 有力EC事業者・有識者が市場を予測
有識者に聞く!【2022年 EC市場展望】
東海大学
客員准教授 東海大学 氏
小嵜秀信客員准教授/ライブコマース活用がカギに
中国越境ECに詳しい、東海大学の小嵜秀信客員准教授は、21年の中国越境EC市場について、「ライブコマースの活用が成功の決め手となる」と予想する。
20年は、世界中で、多くの人々の生活様式が一変した。中国においても、コロナ流行時には、宅配のインフラが人手不足の影響で止まった。その結果、一時的にEコマースの流通が急激に減少した。その後、Eコマースは、非接触の購買手段として大きな成長を遂げた。
象徴的だったのが、20年のW11(ダブルイレブン、双11)だ。アリババのショッピングモール「天猫(T―モール)」の流通額は、前年比85.6%増の4982億元と、大きく数字が伸び、話題となった。その中で、特に注目を集めたのが、コロナ禍で急成長したライブコマース(直播)だった。
21年の中国越境ECでも、このライブコマースの話題が大きく取り上げられることは間違いない。薇●(●は「女」へんに「亜」の旧字)(viya)や李佳●(●は「王へん」に「奇」)(Austin)などのスターKOLが生まれ、一気にライブコマース市場が拡大した。コロナ禍においては、中国政府も、農村地域の企業にライブコマースを行うよう積極的に促しており、これが追い風となった。
日本企業も、単に製品の品質をウェブサイトでアピールするだけでは不十分だ。ライブコマースを活用して、コンテンツとして製品のアピールをする必要が出てくると思われる。
一方で、いわゆる「代購」と呼ばれる個人輸入販売は、日中両国における、入国制限や物流の停滞などにより、21年も引き続き停滞するとみられている。そのため、すでに知名度の高い、商品やブランド以外について、新たな流行を作ることは難しいだろう。
今までは、「代講」がウィーチャット(微信)やタオバオ(淘宝)で商品を販売し、それがきっかけで、スター商品が生まれる流れがあった。21年は、それが難しいため、巨大な中国越境EC市場に魅力を感じる中小企業も、現地への進出がままならない状況が続くものと予想される。
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