【「京東集団」現地レポート①】 世界最新技術で新境地開拓/日本に越境ECの仕入れセンター開設

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 中国の小売り最大手で、ECを中心としたリテールカンパニーの京東集団(ジンドングループ)は5月29日、1年間で最も流通総額が高まる創業記念セール「618」を前に、自社の最新テクノロジーを披露するイベント「JD CUBE」を開催した。現地では無人倉庫や無人運転トラック、ドローン配送、無人スーパーなど、実際に稼働している最先端の施設やサービスの詳細を紹介。技術活用はECにとどまらず、リアル店舗や物流、サービスなど多岐にわたる。最新技術で新境地を開拓する京東集団は、日本国内に仕入れセンターを開設し、中国向けの越境EC支援も本格化する。

■創業セールで2兆円

 6月18日は京東集団にとって特別な日だ。創業記念日であり、今では1年間で最も流通額を上げるセールの日となっている。
 昨年の「618」は6月1〜18日の18日間開催し、176億ドル(約2兆円)を売り上げた。15周年の記念セールとなる今年の「618」も、6月1〜18日に実施し、昨年以上の流通総額を上げる計画だ。
 「期間中にはカテゴリーごとの販売企画などを用意し、ユーザーを飽きさせない仕掛けがある。注文された商品の80%は翌日までに届けている」(グロリア・リー国際広報副総裁)と話す。
 「618」は京東集団だけのイベントではなく、他のEC企業やリアル店舗も巻き込み、中国全体のショッピングイベントとして定着している。


■物流の無人化に挑戦

 18日間で約2兆円を売り上げる背景には、マーケティングや物流の高度な技術がある。「JD CUBE」では技術開発の最新状況を発表した。
 特にイノベーションが進んでいるのは物流だ。自社で物流のインフラを構築しており、無人倉庫も稼働している。無人倉庫のロボットは、1時間に1800件の荷物を仕分けできる。
 自前で宅配サービスも手掛けている。同社のスタッフが配達するサービスだけでなく、配送のクラウドソーシングサービスも展開している。6月からは電気自動車メーカーと提携し、車のトランクに届ける配送サービスを開始した。
 ドローン配送も実施している。中国の農村部にある拠点までドローンで商品を配送し、現地のパートナーが商品を宅配する仕組みを構築。今年の「618」では、飛行可能重量が800キロを超える大型ドローンの試験運転を行う。ドローンは物流センター間の輸送も担う。自動運転技術の開発も進んでおり、米国のシリコンバレーのチームが自動運転のトレックを開発。すでに高速道路において無人運転のテストを実施している。


■小売の未来を作る

 京東集団は感情分析機能を装備した人工知能(AI)プラットフォーム「NeuHub(ニューハブ)」を発表した。すでにAIを導入したコールセンターでは、1日15万件以上の問い合わせに対応している。「ニューハブ」では、より顧客の感情や意図を理解できるという。
 京東集団はスマート家電やブロックチェーンなどの研究開発にも注力する。チェン・チャンCTO(最高技術責任者)は、「(京東集団は)小売りの未来を作る技術開発のリーダーになる」と話す。世界最先端の技術を自社に抱えるだけでなく、外部にも提供することで小売りの未来を開拓する方針だ。

(「京東集団」現地レポート②へつづく…下記URLから飛べます)

大型ドローンの実証実験を開始

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