【Lifeit 堤さおり取締役EC事業部ゼネラルマネージャー】 〈今期、3年連続の2桁増収を目指す〉顧客目線の追求で売り上げ拡大

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 自社ECサイトや楽天市場店で複数のECサイトを運営するLifeit(ライフイット、本社東京都、植田伸司代表)は、18年7月期と19年7月期に、2期連続で2桁増収を達成した。20年7月期の業績も好調だという。現在運営しているECサイトは8種類ある。主軸は、子供用品やベビー用品のECサイト。猫とインテリアに特化したECサイトなども運営しており、同社のECサイトはバラエティーに富んでいる。19年からはEC運営の中で培ったノウハウを生かし、他のEC事業者を支援するソリューション事業も開始した。好調が続くECの展開と、これからの展望について、EC事業部のゼネラルマネージャーを務める堤さおり氏に話を聞いた。

■2期連続の2桁増収を達成

 ─2期連続増収を達成できた最大の要因は何か教えてください。
 18年に運営体制を大きく変えました。例えば損益については、今までより細かい数字まで社員に開示するようにしました。複数店舗の運営に携わっている社員は、勤務状況を管理し、人件費を各店舗で案分するようにしています。それぞれの店舗には、月中に売り上げと営業利益の着地見込みを報告させるようにしています。月初に、前月の見込み数値と着地とを比べさせて、差異の原因を追及するようにしたところ、各店舗の責任者の経営者意識が高まりました。また、各店舗が売り上げや営業利益を報告、共有することは、競争意識の高まりにもつながっていると思います。もちろん情報共有や、仕入れ先の共有など、横のつながりが強まるというメリットもあります。仲間でもあり、ライバルでもあるという良い関係性が築けていると思います。
 ─具体的にはどのように経営者意識を強めていったのですか。
 損益を開示するだけでは意味がないので、まずは損益計算書の各項目を説明し、理解させていきました。広告の選定から、仕入れまで、各責任者には大きな権限を与えています。必要に応じて予算の追加を行うこともできます。任される金額が大きいほど、経営者意識が高まると思います。ただ業務によっては、知識がないと難しいものもあるので、そういった業務にはサポートメンバーを入れています。サポートメンバー同士も密に連携させ、高速にタスクを回せる体制にしています。18年以降は、社内の分析ツールを順次強化しており、より高度な分析ができるようになってきています。
 ─売り上げ分析で重要視していることはなんですか。
 やはり、お客さま目線を意識することです。お客さまは、ショップではなく、カテゴリーやアイテムで検索をすることが多いと思います。店舗全体での分析はもちろん行っていますが、カテゴリーごとやアイテムごとの、より細かい分析も行うよう心がけています。店舗全体の売り上げは上がっていても、下がっているカテゴリーがあるかもしれません。なぜ下がっているのか、「競合」「検索」「キーワード」など複数の観点から分析を行っています。


■インフルエンサーとのコラボも

 ─各ECサイトの取り組みについて教えてください。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月16日号で)

〈プロフィール〉
堤さおり(つつみ・さおり氏)
 大学卒業後、SEやジュエリー業界を経て、11年にLifeitに入社。同時期に同社が、ジュエリーECの企画を立ち上げていたことが入社のきっかけになったという。16年からはEC事業部のグループリーダーに就任。その後、同部のゼネラルマネージャーに昇格した。19年10月には取締役にも就任。顧客目線と現場を第一に考える姿勢は、役職が変わった今でも変わらないという。顧客満足度向上と売り上げ拡大のため、顧客目線の追求に磨きをかけ続けている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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