【ベルーナ 海外事業部 吉田大輔課長】〈ワイン通販の業界大手〉「頒布会」強みにカタログ、ECを強化

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 ベルーナはワインの通販カタログ「My Wine Club(マイワインクラブ)」を発行している。50~60代の富裕層をメインターゲットに、アクティブ会員は現在約18万人。18年3月期のワイン通販の売上高は、41億円だった。ワインの通販・ECでは業界最大規模となっている。カタログからの注文比率が高く、頒布会を強みとしている。今年で20周年を迎えた「マイワインクラブ」を運営する海外事業部の吉田大輔課長に、ワイン通販事業の現状などについて話を聞いた。

■頒布会は高リピート率

 ─ベルーナのワイン通販事業の現況について聞きたい。
 カタログは春夏秋冬の年4回発行しています。メインのお客さまは現在60代が多く、顧客の中からセグメントして発送しています。特集やコラムなどのコンテンツも楽しみにしているお客さまが多いと聞いています。秋冬はボルドーワインの特集を、夏はスパークリングワインの特集を掲載するなど、季節ごとに売れる商品を特集して売り上げにつなげています。
 当社のワイン通販事業は、頒布会方式の通販が圧倒的な強みとなっています。リピート率は85%。もともと頒布会からスタートしていたこともあって、逆にあまり力を入れてこなかった部分もありました。しかし、他社との差別化を考えた時に当社の一番の強みである頒布会をテコ入れしていくことが必要だと感じました。例えば、ボルドーワインの頒布会通販では毎月1本のペースで半年から1年の期間に、社内のソムリエが厳選した高品質なワインのみを届けています。
 年4回のカタログとは別に、「オーパス・ワン」や「グラン・ヴァン」など高級ワインのみを販売するカタログも発行しています。
 こうしたワインは、年2~3回、海外に行って調達しています。13度~15度で定温管理しています。グラン・ヴァンなどの高級ワインは別倉庫で通常よりも低い温度で保管して品質を保っています。
 ─売れ筋に変化はあるか。
 若年層のアルコール離れにより、日本でのワインの市場は実質的に伸びていない。取り扱う商品も他社との差別化を図るためにはかなり難易度が高くなってきていると感じています。
 時代の流れもあり、「今すぐに欲しい」「この商品が欲しい」など、ここ5年間で顧客ニーズは単品利用の流れに変わってきている。当社の強みである頒布会はもちろん伸ばしていきたいところですが、単品通販を強化する方向になっています。3本セットや6本セットのセット物ワインが人気で、特にワイン品評会で金賞を受賞したワインセットは好評です。各産地のワインを集めた飲み比べセットは新規のお客さまから人気があります。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月3日号で)

〈プロフィール〉
吉田大輔(よしだ・だいすけ)氏
 2007年4月、ベルーナ入社。11年から現在の海外事業部に配属され、ワインの仕入れや企画など幅広いマーケティング業務に従事。

ワインの通販カタログ「My Wine Club」

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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