〈下着EC各社〉 デジタル施策で着実成長/コロナ禍需要に「依存」せず

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ヘブンジャパンはオンラインとリアルの融合を加速化させる(写真は同社運営のサロン)

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 下着EC各社は、コロナ禍でも着実な成長をみせている。新型コロナの影響による需要増加にとどまらず、デジタル化の推進や商品開発に手を抜かない姿勢が要因になっているようだ。大手のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは、店頭顧客のECサイトへの流入促進を強化。下着ECの老舗である白鳩は、PB(自社開発)商品の拡充に乗り出している。各社のこれまでの取り組みや現在の施策、売れ筋商品の特徴についてまとめた。

■コロナは追い風でない

 コロナ禍でECの売り上げ伸長に手応えを得た事業者は多い。特に、国内でコロナの感染拡大が本格化し、初めて緊急事態宣言が発令された昨年4月~6月にECの利用が拡大したようだ。店舗の休業や営業時間短縮による影響もEC拡大につながった。
 トリンプ・インターナショナル・ジャパン(本社東京都、ヴァンサン・ネリアス社長)は、全社売上高のうち約15%をECが占めている。売上高に占めるECの占有率は上昇傾向にある。20年12月期の売上高は非公開だが、前期比で2桁成長したとしている。19年12月期も前期比を上回ったが、コロナの影響があった20年12月期は前の期よりも成長している。
 売り上げ拡大は、コロナの影響だけが理由ではない。店頭顧客のオンラインへの誘導や、顧客を対象としたアンケート調査を継続的に行い、回答で得た顧客の声をECサイトの改善に生かすなど、施策を積み上げてきたことも要因だ。
 白鳩の21年2月期の通期売上高は、前期比8.4%増の56億9400万円だった。21年3―5月期(第1四半期)の売上高は、前年同期比16.6%増の15億2200万円と今期も堅調だ。白鳩は現在、PB商品の拡大に精力的に取り組んでいる。
 前期からの業績推移を踏まえ、「コロナ禍は下着ECにとって追い風になっていると思うか」と聞くと、池上勝代表取締役会長は「そうは思わない」と答えた。白鳩では、受注数はコロナ前と比べて同じ水準か、やや下回るという。インナーは普段は人に見られにくいおしゃれなので、在宅時間が長くなっている中では「安ければ何でもいい」という人も多いと指摘している。
 その上で、池上会長は「真面目に商品開発や顧客関係の構築に取り組んでいる下着企業はコロナ禍で大きな打撃があったとは思えない。当社も堅調に推移することができた」(池上会長)と話す。「巣ごもり消費」の拡大に頼らず、適切な施策を投じ続けてきた結果が表れたようだ。


■今年は鈍化傾向も

 各社によると、今年に入ってからのEC売り上げは、昨年と比べると、鈍化しているようだ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月5日・12日合併号で)

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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