〈クラウドファンディング〉 DXの足掛かりにも/事業者活用の多様化進む

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キャノンMJのsン商品先行販売は、累計販売額が1億6785面円に達した

キャノンMJのsン商品先行販売は、累計販売額が1億6785面円に達した

 オンラインでの新たなチャネルとして、クラウドファンディング(CF)を活用する動きが目立っている。大手CFサービス「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」では、20年の流通総額が前年比200%増の約200億円に達するなど、CF市場規模の拡大も著しい。コロナ禍に直面した20年以降は、飲食店や催事のセーフティーネットとしても機能している。CFで創出されたノウハウや顧客接点を足掛かりに、直販ECの強化や事業のデジタル化を進める企業も多く、その活用法も多様化が進んでいる。

■「購入型CF」は予約販売のEC

 資金支援を通じて、ユーザーと事業者間で物品やサービス(リターン)のやり取りが行われるCFは、一般的に「購入型CF」と総称されている。
 事業者がCFサイトに新事業や新商品を「プロジェクト」として掲載。ユーザーは、内容やリターンに魅力を感じてプロジェクトに対し資金支援を行う。プロジェクトはランディングページのような構成をとり、商品の魅力や携わる人、開発経緯も併せて掲載されるのが主流だ。
 一般的な流れと三者の関係性は別表の通り。各プロジェクトは事実上「予約受注型のオンライン販売」といえるケースが多く、あらゆる面でECと親和性を持つ。
 デジタルマーケティングなどによる地方・ベンチャー企業支援を手掛けるKIDOU(キドウ、本社東京都)の大和田要代表は「事業者としては、在庫のリスクを持たず新商品の販促やテストマーケティングを行えることが大きなメリット」とCFの特徴を説明する。
 新商品の披露・先行販売の場として購入型CFが活用されるケースは年々増えており、その販売規模も増加している。
 キヤノンマーケティングジャパン(MJ)は1月29日、IoT技術を活用した自動撮影カメラの先行販売をCFサイト「Makuake(マクアケ)」で実施した。購入ユーザー数は延べ4500人、販売総額は1億6785万円に達し、CF活用の成功事例として大きなインパクトを与えた。


■コロナ禍受け役割が多様化

 コロナ禍の影響を受ける昨今は、掲載プロジェクトの多様化が進んでいる。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月15日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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