〈住設関連EC企業の海外展開〉 海外売り上げ30%増も/風土に適した商材に活路

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ここ数年、住設関連EC企業が海外展開を始めるケースが増えている。成功事例も生まれているようだ。15年から台湾のECモールへの出店を開始した友安製作所は、台湾でのEC売上高を毎年伸ばしており、19年1月期の海外売上高は前期比28%増となった。サンワカンパニーは、18年9月期の海外販売売上高が前期比27.3%増となった。20年9月期には、中国のECモールに出店することも検討しているという。ピアリビングは、19年2月から中国での販売を本格的に開始した。日本製品というブランド力を生かししつつも、現地の風土を取り入れた商品開発を行う企業で増収するケースが目立っている。

■台湾は天井が高い

 床材や壁紙、カーテンなどのDIY商品をECで販売している友安製作所(本社大阪府、友安啓則社長)は15年8月、台湾のヤフーが運営しているモール「Yahoo!奇摩」に出店し、海外展開を開始した。現在、台湾では同モールを中心に、四つのサイトで、販売を行っている。19年1月期の海外EC売上高は前期比28%増だったが、20年1月期についても「前期比で30%の増収を見込んでいる」(広報担当)と話す。
 台湾では日本と異なる商品群を販売している。同社によると、「台湾は日本よりも住宅の天井が高く、夏は暑いのが特徴。そうした気候・風土に合った商品を展開するようにしている」(広報担当)と話す。
 台湾では「伸縮カーテンレール」や「タイルシール」などが売れている。高い天井にマッチするよう、高い場所に取り付けてもオシャレに見える伸縮カーテンレールを販売している。
 同社では、台湾の事務所に専門の事業部を設けており、マーケティングリサーチを行う台湾人スタッフを置いている。台湾のサイトのデザイン・制作を行うスタッフは日本におり、互いに日々連絡を取りながら運営を行っているという。
 同社では、「海外展開には、海外展開を通して、現地の風土や習慣を理解できる人材が必要だ」(広報担当)と話す。そう考えるに至ったのは、「15年の事業部開設当初は、最初は台湾のチームと日本のチームがうまく連携せず、売り上げが伸びなった」(同)という痛い経験があったからだという。
 「17年に日本で採用した新しいスタッフは語学ができるだけでなく、台湾チームをまず理解しようと努力した。その結果、売り上げが伸びるようになった」と話す。


■代理店展開で拡大

 タイルやキッチン、洗面ボウルなど扱う住設ECを展開するサンワカンパニーの18年9月期の海外販売売上高は前期比27.3%増の2700万円だった。19年9月期の海外業績については「決算前のため非公開」(広報担当)と話す。
 同社は16年8月、台湾での販売をスタートさせた。その後ベトナム、中国、韓国、イタリアへと展開を拡大していった。同社は代理店販売方式で海外展開を行っている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ