【コールセンター】ベルシステム24ホールディングス 柘植一郎社長/再上場を機に攻めの経営へ/新CRM、AIの活用でさらに需要創出

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 東証一部への再上場を弾みに、ベルシステム24ホールディングスが攻めの経営姿勢を色濃くしている。今期から、新たなCRMプラットフォームの構築、小型コールセンターの拠点戦略、人材採用・育成を積極化。親会社の伊藤忠商事グループとの連携も図りながら、顧客企業に対する提案力を強めている。需要創出と売り上げ拡大に向けた事業戦略について、柘植一郎社長に聞いた。

《ベンチャー投資も視野》
 ーー再上場を機に社内ではどんな取り組みを行っているのですか。
 科学技術の進化もあり、アウトソーシング業界は一段と伸びていくとみています。これを踏まえ、伊藤忠商事とのシナジーを発揮しながら次のステップに進んでいるところです。
 今年度から組織変更を行っています。もともと現場のオペレーションを強みにしてきましたが、よりクライアントの目線に立ったサービスを提供するためです。当社はアウトソーシングの形で顧客企業の要望に長く応えてきました。その結果、現在1300~1400社のクライアントを抱えています。3~4年前からは、クライアント数を広げるだけでなく、1社1社との付き合いをより深くする取り組みにも力を注いでいます。
 長くサポートしている大手企業とはすでにコールセンター業務を請け負うのではなくパートナーとしてさまざまな業務を一緒に取り組んでいます。このパートナーシップの形をさらに深めていくため、営業からオペレーションまでワンストップで提供できるような専門の組織を構築しました。現在、約1000億円の売り上げのうち、約200億円がこの事業によるものとなっています。仕事を待つだけでなく、新たなビジネスソリューションを立ち上げ、能動的に取り組んでいきます。
 ーー人工知能(AI)を取り入れたサービスが注目されています。
 コールセンター業界はAIなどの新技術との親和性が非常に高いとみています。当社ではAIなどを取り入れた新サービスを「アドバンスドCRMプラットフォーム」と名付けて、今後本格的に展開していきます。
 例えば、クライアント自身が持つデータと、当社が持つデータを掛け合わせることで今までにないデータを得たり、分析することが可能になります。これを商品開発や企画、マーケティングの領域までフィードバックしていきます。
 双方のデータを組み合わせることで今までにないビジネスが提供できると考えます。ベータ版を早期に作り、これをさまざまな顧客に提供することで技術を進化させていく計画です。今下期はこの取り組みを加速させます。ベンチャー投資も視野に入れながら積極的に動いていきます。伊藤忠商事グループとの連携も強みにしていきます。
 一方、従来のトラディショナルな業務の強化も怠りません。応対品質の向上と効率化をさらに追求します。これをベースにし、新たな事業を上積みしていきます。


(続きは、「日本流通産業新聞」10月27日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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