トランスコスモス/元社員が顧客情報漏えい/被害のベネッセは契約解除

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

トランスコスモスは3月17日、業務受託先であるベネッセコーポレーションの顧客の個人情報を、元契約社員が外部に持ち出したこと明らかにした。同日付で流出の経緯と再発防止策を公表。被害を受けたベネッセはトランスコスモスとの契約解除を決めた。
 流出したのはベネッセの顧客23人の苗字と電話番号。名前や住所、生年月日、所属先などの一部も漏えいした。口座番号など決済情報は漏えいしていない。
 トランスコスモスによると、14年3月ごろから8月ごろにかけて、電話のオペレーターを担当していた元契約社員がベネッセの顧客情報を閲覧。紙に書き写して外部に持ち出し、自分のスマートフォン(スマホ)に登録した。
 元契約社員が別件で逮捕され、捜査の過程で顧客情報を所持していることが発覚。15年1月下旬に警察がトランスコスモスに連絡した。
 流出した個人情報が拡散するなどの二次被害は出ていないという。元社員のスマホや個人情報を書き写したメモは警察が押収した。
 今回の事態を受け、トランスコスモスは監視カメラの増強や社員教育の強化、ペーパーレス化などの再発防止策を発表している。
 ベネッセは今後、業務委託先への監査・監督体制を強化するという。トランスコスモスとの今後の契約について質問したところ、「トランスコスモス社に対しては、個人情報の取り扱いに関する定期的な監査を行っておりましたが、本件の発生を重く受け止め、契約を解除する旨を決定しています」と文章でコメントした。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ