ヤマト運輸/小さい「宅急便」開始/4月から 新たな投函サービスも

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新サービスを発表するヤマト運輸の山内雅喜社長(左)と長尾裕常務執行役員

新サービスを発表するヤマト運輸の山内雅喜社長(左)と長尾裕常務執行役員

 ヤマト運輸(本社東京都、山内雅喜社長)は3月3日、3月末で廃止するメール便の代替サービスとして新商品を発売すると発表した。4月1日から現行の「宅急便」より小さいサイズを展開するほか、新たな投函サービスを開始する。「宅急便」のサイズを拡充するのは21年ぶり。EC市場の成長に伴い、小さいサイズの荷物に対する需要が高まっているほか、フリマサイトの普及で個人間による投函サービスの需要が見込めると判断した。
 小さいサイズの宅急便は「宅急便コンパクト」の名称で展開。専用の梱包箱に荷物を入れて届ける。梱包箱は2種類を用意。箱のサイズはタテ25×ヨコ20×厚さ5センチと、タテ24・8×ヨコ34・0センチで、現行の60サイズ(3辺の合計が60センチ以内)よりも小さくなる。専用箱に入るものであれば重量制限はない。
 専用箱は1枚65円(税込)で販売する。料金は宅急便と同じ地域別料金に設定。法人・個人事業主の場合、数量に応じて料金を決める。引き受け限度額は3万円以内の商品となる。
 個人発の荷物には三つの割引サービスを用意する。すべての割引を適用すると、同一地域内の料金は659円(運賃594円と箱65円)が419円(ともに税込)となる。「クロネコメール便」の料金は164円が上限だった。
 投函サービスの名称は「ネコポス」。EC事業者や個人事業主など、ヤマト運輸との契約者を対象にサービスを提供する。翌日配達に対応するほか届け先には投函完了メールを配信。追跡情報の確認も行える。
 対象サイズは最小が11・5×23・0センチより大きなもので、最大は角形A4サイズ(31・2×ヨコ22・8センチ)以内、厚さは2・5センチ以内となる。重量は1キロ以内で、引き受け限度額は3000円以内に設定した。
 料金は全国一律で上限は378円(税込)。発送量に応じて料金を決めるが、月間約百個を発送する場合、1個に付き200円台半ばで利用できるという。
 ヤマトと契約のあるフリマサイトの場合、「宅急便コンパクト」「ネコポス」の利用が可能。個人間取引の多くを占める小さな荷物の配送ニーズに対応していく。
 「クロネコメール便」の利用者は全体の9割が法人で、個人利用は約1割。企業向けの代替サービスは4月から、「クロネコDM便」を始める。個人向けには「宅急便コンパクト」となる。
 「宅急便コンパクト」の料金はメール便より大幅な値上げとなるが、「60サイズより安く、確実に、スピードも宅急便レベルになるので、個人のお客さまにもメリットが提供できる」(山内社長)としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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