アマゾンジャパン/都心部で遅配急増/配送委託先変更でひずみか

 「アマゾンで注文した商品が指定日に届かない」といった声が、16年6月末から、ツイッターやSNSで急増している。ヤマト運輸がアマゾンジャパンの当日配送から撤退する方針を固めたことから、アマゾンジャパンは、これまでヤマト運輸が請け負っていた事業を別の中小事業者に委託する動きを見せており、そのことが今回の遅配にも影響しているようだ。
 ツイッターなどに投稿された内容を見ると、「指定日に荷物が届かない」「自宅にいたのに配達されず、不在票が入れられていた」「配達されず、配達するドライバーと連絡も取れない」といった事例が多かった。本紙が取材した6件の遅配については、すべてが「デリバリープロバイダ」に配送が委託された案件だった。
 「デリバリープロバイダ」とは、アマゾンジャパンが、限定した地域の配送を委託する事業者5社の総称だ。丸和運輸機関、ファイズ、SBS即配サポート、札幌通運、TMGの5社からなる。
 当日配送の商品が期日通りに届かなかったという、6人のSNS投稿者にSNS上で話を聞いたところ、(1)東京都内でのトラブルである(2)丸和運輸機関もしくはTMGがからんだトラブルであるーーーの2点が共通していた。
 アマゾンジャパンは6月上旬から、東京23区などの都市部の配送業務について、「桃太郎便」を運営する丸和運輸機関を始めとした中小配送事業者の受託量を増やした。
 アマゾンの当日配送から撤退する方針を固めているヤマト運輸では、「総量規制は下期から実施する予定。現在は、アマゾンからの受託量を絞っているという認識はない。(アマゾンが)『デリバリープロバイダ』に一部荷物を受託しているかもしれないが、(当社では)分からない」(広報戦略部)と話しており、正式な契約に基づきヤマト運輸の受託量を減らしているという状態ではないようだ。来るべき、ヤマト運輸の当日配送からの撤退に向け、アマゾンジャパンが、テスト的意味も含め、中小事業者などへの部分的配送委託を行っている、というのが実情のようだ。
 アマゾンジャパンが、「デリバリープロバイダ」の配送委託量を増やすようになって約1カ月が経過する中、配送体制の急激な変化のひずみが、今回のトラブルとして表面化した可能性がある。
 ある物流団体の関係者は、「ヤマト運輸がこれまで行ってきた配送サービスは、非常にクオリティーが高いものだった。別の事業者がいきなり請け負うというのは非常に難しかったのではないか」と話す。ある物流支援企業の幹部からは、「これまでBtoBの業務がメインだったデリバリープロバイダが、BtoCの配送を請け負うのは、人材教育や商品管理、責任感などの面で不足があったのではないか」(物流支援企業)といった声も上がっている。
 アマゾンジャパンでは、「配送遅れの事例が発生していることは、承知している。今後は各配送パートナーと協議して、問題改善に努めていきたい」(広報)としている。
 丸和運輸機関では、Amazonを「A社」と表現しつつ、次のように話す。「A社との取引も含めて、当社で請け負っている配送でどのようなトラブルが起きているかは把握している。トラブルが生じたお客さまには誠実に対応し、問題の改善に努めていきたい」(経営戦略室)。一方、TMGは、「個別の取引については公表することは差し控える」(広報)と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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