巧妙化する「デュブリ」の手立て/「タビオ」がストアイン?/ASP規約違反の方法で掲載

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 業界内で物議を醸しているショッピングサイトの会員権ネットワークビジネス(NB)組織「DubLi(デュブリ)」が不審な動きをしている。5月18日に日本企業が1店舗だけストアイン(提携する企業のECサイトなどで、割り引きで買い物ができるようにすること)したのだ。ただ本紙の取材によると、今回のストアインは正攻法とは言えない、巧妙な手立てによってもたらされたもののようだ。
 5月18日に、キャッシュバックが受けられると称するアフィリエイトサイト「デュブリ」にストアインしたのは、靴下販売大手のタビオが運営するECサイト「Tabio(タビオ)」だ。「デュブリ」にアフィリエイトリンクが掲載される形でストアインした。
 タビオによると、「デュブリ」に掲載されたECサイトのリンクは、ASP大手のファンコミュニケーションズが運営する「A8.net」経由で発生したアフィリエイトリンクだという。タビオでは「1月に一度『デュブリ』にストアインされていたが、社内で『問題のあるサイトなのではないか』と判断し同サイトとの提携を解除していた。当社の調査によると今回のアフィリエイト申請は『デュブリ』からのものではなく『InvolveAsia(インボルブアジア)』というサイトからのものだった。ただ、発行されたアフィリエイトリンクは『デュブリ』のサイトに貼られているということのようだ」(ECサイト担当者)と言う。「当社としては、大変不本意な状況。申請した掲載内容とは異なるメディアでの運用となるため、早急に『InvolveAsia』との提携を解除する」(同)としている。
 ファンコミュニケーションズによると「アフィリエイトサイト『デュブリ』については、社内で『規約上問題のあるサイトではないか』と判断し、今年1月にアフィリエイター登録を自主退会してもらった経緯がある」(広報)と言う。その上で、「調査の結果、当社ASPに海外のASPである『InvolveAsia』がアフィリエイター登録していた。『デュブリ』は、『InvolveAsia』にアフィリエイター登録を行い、アフィリエイトリンクを得ていたようだ」(同)としている。(図参照)
 ファンコミュニケーションズでは「当社ASPに、海外のASPがアフィリエイター登録をするのは規約違反に当たる。掲載の取り下げとアフィリエイター登録解除を行う」(同)としている。なお、日本のASPに海外のASPがアフィリエイター登録することは「なくはないが、非常にまれなケース」(同)であるという。
 本紙では、日本法人であるデュブリジャパン(本社東京都)の野萩裕弘GMに電話取材を試みた。ただ、不在を理由に期限までに回答は得られなかった。

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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