個人情報保護法改正/NB会員にも法規制 求められる主宰企業の対応

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 5月30日に施行される改正個人情報保護法は、ネットワークビジネス(NB)業界にも大きな影響を与えそうだ。改正法では、いわゆる5000件要件」が撤廃されることから、わずかな個人情報を保有するNB会員も法規制の対象となる。個人情報を会員に提供しとするNB企業は、(1)より厳格なルールの下で個人情報の「第三者提供」を行うか(2)一定の条件の下で会員と個人情報の「共同利用」を行うかーーーを選択する必要が出てくる。複数のNB主宰企業に改正法への対応を取材したところ、「すでに対応済み」という企業がある一方で、「専門家に委託しているため特に気にしていない」などとする企業も多かった。

■第三者提供が厳格化

 改正法では、個人情報の第三者提供に関する規定が厳格化された。NB企業では、上位の会員に、下位の会員の情報を提供する取り組みが一般化しているが、この場合も原則として「第三者提供」としての対策が必要ということになる。
 改正法では、個人情報の第三者提供を行う場合、(1)受領者と提供者の両方に、やり取りを記録・保管する義務が発生する(2)「オプトアウト手続き」に関して、個人情報保護委員会へ届け出が必要になるーーーとする二つの規定が加えられた。
 「オプトアウト手続き」とは、本人の個人情報を第三者に提供することについて、契約書類や、ウェブサイトのプライバシーポリシーなどで事前に通知することにより、自分の個人情報が誰の手に渡っているかを、本人が認識できる状態にする手続きのことをいう。「オプトアウト手続き」が適正に行われていれば、本人が個人情報の提供に同意したものとみなすことができる。
 本人からの開示請求があってから、(1)や(2)の対応を行っていないことが発覚した場合、個人情報保護委員会から違反していると判断される可能性がある。その際には、6カ月以下の懲役や30万円以下の罰金が科されるケースもありうるという。

■「共同利用」で負担を回避

 個人情報の第三者提供のルールが厳格化されたことによって、事業者にとっては記録・保管義務や、届け出の負担が増加することになる。NB主宰企業の場合、例えば、下位の会員の入退会や商品購入の情報を、上位の会員に提供するようなケースは、「個人情報の第三者提供」に当たると考えられる。

(続きは、「日本流通産業新聞」5月18日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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