ディー・エヌ・エー/キュレーション事業再開のめど立たず

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13日の会見に立った南場智子会長(写真右)と守安功社長

13日の会見に立った南場智子会長(写真右)と守安功社長

 キュレーションサイトで医療に関する不適切な記事を掲載していた問題で、ディー・エヌ・エー(DeNA)は3月13日、第三者委員会の報告書を公表した。キュレーション事業の再開についてはめどが立っておらず、あくまで検討段階としながらも、南場智子会長は「再開の問い合わせもあった。『キュレーション』という言葉は使わないと思うが、ユーザーはいるので、新しいサービスとして開始できるか検討は続ける」と会見で話した。
 運営していた10個のキュレーションサイトは現在、全記事を非公開にしている。サイトに広告を出稿していた広告主や広告代理店には、金銭的な補償も含め1件1件対応している。
 第三者委員会は運営していた10サイトに掲載していた37万6671記事に対してサンプル調査をした結果、統計学的に複製権・翻案権など著作権侵害の可能性がある記事は1.9~5.6%程度と推計し、最大で2万1000本に上ると指摘した。
 10サイトに掲載されていた画像には著作権侵害の可能性もあるとし、問い合わせ窓口を設置して相談に対応している。
 また、医療サイト「WELQ(ウェルク)」で外部から問題を指摘されていた記事19本について調査したところ、違法性がある記事は薬機法について8本、医療法について1本、健康増進法について1本あることが分かった。
 DeNAは14年10月に、キュレーションメディアを展開するiemo(イエモ)とペロリの2社を50億円で買収してキュレーション事業に参入。守安功社長は「買収の判断自体は間違いだったと思っていないが、事業を推進する中で理解が不十分だった」と述べた。
 同日付で創業者の南場会長が代表取締役に復帰し、守安功社長との代表取締役2人体制となった。意思決定を複眼的に行い、トップマネジメントを強化することでガバナンスとコンプライアンス・管理体制の強化を推進するとしている。
 キュレーションサイト運営子会社、イエモとFind Travel(ファインドトラベル)の村田マリ氏は代表取締役を辞任する予定。同じくキュレーションサイト運営子会社、ペロリの中川綾太郎氏は12日付で代表取締役を辞任した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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