通販事業者/「働き方」を変える/女性幹部育成や副業解禁

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
ベルーナが女性社員を対象に実施している「女性社長塾」(埼玉・上尾のベルーナ本社で)

ベルーナが女性社員を対象に実施している「女性社長塾」(埼玉・上尾のベルーナ本社で)

 既存の「働き方」を見直す通販事業者が増えつつある。ベルーナは今期から、女性社員を対象とした社長塾を始めており、将来は幹部への登用を視野に入れている。服飾雑貨のEC事業を展開するロコンドは1月から、新たな人事制度を導入。会社全体の業績結果に応じた利益還元賞与を取り入れたほか、副業も解禁した。1月1日付で大幅な組織変更を行った千趣会も、今期は「働き方」の見直しを積極的に行い、従業員の意識改革につなげていく。通販業界のみならず昨今は、優秀な新卒者の採用や確保が課題となっている。通販事業者も既存の「働き方」を見直すことで、職場環境の改善や人材確保につなげたい狙いがある。


<人材確保や職場環境改善で>

 ベルーナは昨年8月、女性社員を対象とした「女性版社長塾」という研修制度を始めた。20~30代の女性社員約60人を対象に、安野清社長をはじめとした役員や外部講師が、リーダーシップやライフプランなどに関する心構えなどを解説している。
 塾生は人事部と部門長が選抜し、パートタイマーから社員に昇格した人も約20人を占めている。今期は年間8回の研修を予定しており、幹部社員としての育成にも生かす狙いがある。
 「社長塾」自体は以前から、男性社員を対象に実施していた。今期のスタートとなる昨年4月、人事部内に「人材活性化チーム」を発足。教育研修や内部登用などがチームの役割となっているが、「女性の活躍を推進するには専門の部隊が必要」(総務本部人事部・伊藤絵里主任)との判断から「女性版社長塾」を開始した。
 ベルーナの従業員は約1300人で、このうち半数を女性が占めている。しかし、課長クラスにおける女性の比率は13%となっている。確かに専門職においては、ヒット商品を相次ぎ開発するなど、優れたMD担当者も存在する。
 入社して5~9年目の女性社員に対し、「もう一歩突き抜けてほしいという思いを安野社長は持っているし、殻を破ってレベルアップをしてほしいという思いから育成している」(同)と言う。
 「女性版社長塾」による当面の目標は、今春の人事異動で役職者に昇格する女性社員を輩出すること。主任や係長など「一歩あるいは半歩でも成長する人材育成につなげていきたい」(同)としている。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ